2009年2月26日木曜日

世界一周旅行

 自転車による世界一周旅行の嚆矢は、1886年(明治19)に来日したトーマス・スチーブンスですが、その後も数人が日本に来ています。明治30年代までを当時の新聞から拾ってみますと、次のようになります。

○トーマス・スチーブンス 自転車世界一周のスチーブンス来朝 1886年(明治19)12月4日付け時事新報

○フランク・G・レンツ 自転車世界漫遊者の渡来 1892年(明治25)11月19日付け東京朝日新聞
 
○アニー・コーエン・コプチョフスキー 自転車乗り婦人の世界周遊 1895年(明治28)3月2日付け東京朝日新聞

○少なくとも3人(名前は不明) 世界一周の旅行者が東京に到着 1898年(明治31)2月17日付け国民新聞

○G.A.フレザー 自転車世界漫遊者の演説会 1898年(明治31)3月3日付け東京朝日新聞

○中村春吉 日本人初の世界旅行者 1902年(明治35)2月25日横浜港を出発

 この中で、アニー・コーエン・コプチョフスキーは特筆すべきではないでしょうか。治安も道路事情も悪いこの時代に女性の単身での世界旅行は、トーマス・スチーブンスに匹敵する偉大な快挙だと思います。これ以外でも新聞に載らなかったり、見落とした来航者はあると思いますが、いまのところ確認はとれていません。