2009年2月22日日曜日

輪タク

 昭和34年頃、茅ヶ崎駅の南口で輪タクを見た記憶があります。既にこの頃は輪タクの殆んどが全国の都市から姿を消していました。
 東南アジアやインド、中国などでは、いまでも輪タクが活躍しています。名前もいろいろとあるようです。リクシャー、シクロ、トライシャ、ビカク、トライシクル、トリシークロ、サンルゥンチァなどです。日本では一般的に輪タクと呼んでいました。最近では、ベロタクシーと呼ばれています。
 日本で姿を消した輪タクが再び現れたのが、2002年4月でした。地球温暖化による環境問題が叫ばれるようになり、京都議定書が採択されたときでした。環境共生都市推進協会(NPО法人・現ベロタクシージャパン)がこの京都議定書きっかけに、ドイツのメーカーから10台購入して、先ずは京都で運行をはじめました。このベロタクシーは、いまでは全国の24都市に広がり活躍しています。
 上の図は、明治39年10月29日付け毎日新聞に掲載された記事です。
 「独逸の新式人力車 近頃独逸に於いては図の如き新式の人力車流行すと云う、更に英国倫敦に於いてもサイクロリキシャとて自転車と人力車を合併したる如き車を発明したる者あり・・・・」とあります。
 この形状を見ますと、いまも東南アジアやインドで活躍している自転車タクシーとあまり変わらないように思えます。
 自転車タクシーのようなものがいつ頃から考案されたのか、定かではありませんが、西欧では17世紀ごろからいろいろな形やメカニズムの乗り物が現れています。1690年に現れたエリー・リチャードの馬車のような乗り物もその一つでしょう。
 日本でも齊藤俊彦氏の研究によりますと、明治3年頃から竹内寅次郎が一人乗り、二人乗りの自転車(三輪車)や明治11年には営業運転を目的とした大型の自転車を考案しています。しかし、これらの乗り物は、当時の道路事情やメカニズムの点で実用にならなかったようです。