2009年2月17日火曜日

ビクターのカット絵

 この新聞のカットは、明治30年の読売新聞に掲載されたとあります。明治30年とあるだけで月日は書いてありません。恐らく明治30年頃という意味だと思います。絵の説明に「自転車は貴重品 ぬれてサビないように人力車でご帰還」とあります。当時、自転車はたいへん高価で貴重なものですから、濡れないように人力車を呼んだと思われますが、はたして自転車だけを人力車に載せたのでしょうか。人力車のスペースからしますと自転車だけでもはみだしてしまいそうです。 
 この絵を注意深く見ますと、自転車のフォークの部分が、どこかで見たような形状です。この特徴ある形状は、まさしくビクターのスプリング・フォークです。そうしますとこの新聞のカットは明治30年以前の可能性があります。ビクターの日本での販売は明治26年頃からです。恐らくそのころに新聞掲載されたカットだと思います。当時、サイクリストの間でもビクターは人気のある自転車でした。すでにこのブログでも触れましたが、和田義睦、福沢桃介が乗っていました。 
 ちなみに読売新聞の創刊は1874年(明治7)です。ヨミダス歴史館では、創刊号~最新号まで計1,000万件以上の記事をデータベース化し、有料ですがネット上で検索・閲覧できるサービスを提供しています。