最近でも時々オークションに1883年-1885年のベイリス・トーマスのオーディナリーが登場しています。いまでもこの英国製のオーディナリーはマニアの間で人気のあるブランドです。
ベイリス・トーマスのオーディナリーの写真は、自転車文化センターのHPにありますので、そちらを見てください。
http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/japanese/history/nenpyo/nenp12.htm
ベイリス・トーマスのオーディナリーが、日本に輸入された形跡はいまのところどこにもありません。オーディナリーが輸入されるのは明治21年頃からで、英国製ではなくアメリカのコロンビアやゴーマリー&ジェフリーなどでした。コロンビアは梶野が明治22年に輸入したと思われますし、ゴーマリー&ジェフリーは森村開作と兄の明六などが明治26年頃に乗っていました。
日本にベイリス・トーマスが輸入されたのは、明治27年です。この自転車はオーディナリー(ダルマ型)ではなくセーフティー(安全型)でした。
参考資料:
明治27年12月1日付け中央新聞 東京市京橋区南小田原町三丁目九番地
テ・ライヂン・グリイン ベイリス・トーマス安全車
「サイクル・その歴史的評論」C.F.カウンター著 P.25 昭和55年3月15日発行