2009年3月1日日曜日

名取市のダルマ自転車

 昨日このブログでダルマ自転車を書きましたが、本日、名取市サイクルスポーツセンターの千葉様から7枚の写真を送っていただきました。千葉様はご親切にもダルマ自転車の細部まで撮ってくれました。これら送られてきた写真を見て驚いたことなのですが、ダルマ自転車の年月日と製作者の名前が書かれた当時の木札が自転車に付けられていたことです。現存するダルマ自転車では、江戸東京博物館にあるものが第一級品と言われています。これは国友鍛冶が製作したことと、製作年月が分かっているからです。ただ残念なことに誰が製作したかは分かりません。ところが、この名取のダルマ自転車には製作者が分かる木札がフレームに取り付けられています。恐らくこの木札も自転車と同時期に書かれたものと思われます。この木札と自転車がセットでたいへん価値を上げています。
 木札も既に100年以上経っていますから日焼けして一部判読が困難になっていますが、次のように書いてあります。判読できない部分は○にしました。

明治ニ十五年七月○○○○○○○
北越新発田鍛冶○○○ ○川○○○○○
○○村           ○○○○好

 以上ですが、あえてこの○の部分を推定して当てはめて見ますと、次のようになるのではないかと思います。

明治ニ十五年七月吉日 相携○作之
北越新発田鍛冶町○○村 森川徳四郎兼寿
同沼村             坂井 元 康好

 それから「北越新発田鍛冶○○○」も注目する点です。
 新潟の三条や新発田は、上杉謙信の時代から刀鍛冶などの職人が多くいた土地柄ですから、国友同様自転車を製作する技術は持っていました。
 何れにしましても、いまのところ製作年代と製作者が分かる国産ダルマ自転車は他にありません。たいへん貴重なダルマ自転車です。まさにこれは最高の一級品でしょう。

写真は、名取市サイクルスポーツセンターの千葉様から提供していただきました。