自転車関係資料- 231
下の自転車分解図はどこかで見た記憶があり、少し調べたら「自転車術」と「自転車全書」にも似たような図があった。
しかし、これらの図を見比べて見ると若干の相違がある。「自転車術」と「自転車全書」は殆ど同じ図であるが、この二つもよく見ると違っている。
ところで上の図であるが、出典がまったく分からない。年代も不明である。恐らく明治期であることは間違いなさそうである。
手書きの各部の名称も時代を感じさせてくれる。
部品の名称
45頁
「自転車術」の図
国会図書館所蔵
45頁
部品の名称
49頁
「自転車全書」の図
国会図書館所蔵
49頁
部品の名称
「自転車術」と「自転車全書」について
明治期の自転車はまだ高価で珍しい乗り物であり、その乗り方やメンテナンスに関する知識は一般にはほとんど普及していなかった。
そこで、自転車の普及と技術向上に貢献した人物の一人である渡辺修二郎が、1896年(明治29年)に『自転車術』という本を出版した。
この本は日本で最初の安全型自転車の解説書であり、自転車の歴史や構造、乗り方や修理法などを詳しく説明している。
また、自転車に関する用語や外国の自転車事情についても紹介しており、当時の自転車文化を知る貴重な資料となっている。
『自転車術』は当時大きな反響を呼び、何度も増刷された。
渡辺修二郎はその後も自転車の普及活動を続けた。
「自転車全書」は、1902年(明治35年)に出版された。著者は、松居松葉 (真玄)。
この本も自転車の歴史や構造、乗り方や修理方法などを詳しく説明している。
当時の自転車愛好家にとって数少ない貴重な情報源であった。