梅津大尉自轉車談
半 山 生
・自轉車の形状及び構造の沿革
・自轉車の形状及び構造の沿革
久しき間多忙に紛れて輪談も途切れて居つたが、 少閑を得たを幸ひ曾て取調べたる事のある、佛國自轉車の形狀及び構造の沿革に就て一言して見よう。
先づ枠の事より説明するが、順序として當初に學理の要點を摘示しよう。
枠の構造に関する問題は、例へば第一図に示す如く前柱の両端(イロ)、鞍の支柱(ニ)、曲柄軸受(ハ)及び後輪軸(ホ)を既知したる時此五點を不變に一致して車体に變形を生ぜしめざるにあるのだ。佛のマッコルウン、ランキーヌは此五點を有する平面を稱して自轉車の平均面と名けて居る。
枠に變形を與ふべき處の力は二種ある。
先づ枠の事より説明するが、順序として當初に學理の要點を摘示しよう。
枠の構造に関する問題は、例へば第一図に示す如く前柱の両端(イロ)、鞍の支柱(ニ)、曲柄軸受(ハ)及び後輪軸(ホ)を既知したる時此五點を不變に一致して車体に變形を生ぜしめざるにあるのだ。佛のマッコルウン、ランキーヌは此五點を有する平面を稱して自轉車の平均面と名けて居る。
枠に變形を與ふべき處の力は二種ある。
第一種は行進中此平均面の真直なる時に發生するもの、第二種は回轉中車体が傾斜してこれに直角の力の加はる時に發生するものである。但し後者の力は前者より微弱である。
枠は鐵管を結合したるものなるが故に、若しこれに前記第一種の力加はった時は、鐵管を此力に耐へしむるには應用重學の原理に從ひ、五點を二點づつ、一致する處の三角形を與へねばならぬ、而して實際上後輪軸のホ點は間隔狭き二點(ホ一)(ホ二)に區分せらるるものである。
枠は鐵管を結合したるものなるが故に、若しこれに前記第一種の力加はった時は、鐵管を此力に耐へしむるには應用重學の原理に從ひ、五點を二點づつ、一致する處の三角形を與へねばならぬ、而して實際上後輪軸のホ點は間隔狭き二點(ホ一)(ホ二)に區分せらるるものである。
イロハニ(ホ一)及び(ホ二)を二點宛一致するに関して從來種々の發明が起ったけれど、最も簡易なる方法は第二図及び第三図に掲げたものである。
此發明は既に二三の自轉車製造人に採用せられた・・・
此發明は既に二三の自轉車製造人に採用せられた・・・
14頁
自轉車 第36号
明治36年11月28日発行 快進社
