陸奔舟車 - 7
「新体制バス経営学」 後藤栄一郎 著 国防知識普及会 昭和18年5月18日発行
これも陸奔舟車関連、
76頁
「新体制バス経営学」
国会図書館所蔵資料
我が國に於ては、徳川時代の天文學者彦根藩士平石久平治が、享保十八年に新裝船奔車と云ふ乗合自動車の如き木製乗用車を發明して、時速十四キロで走ったと云ふ記録がある。今より約二百年前でニコラス・ヂョセフ・キュノーの蒸氣自動車より早い事になってゐる。然し之れも實用化されるには至らなかったらしい。
又我が國に初めて自動車が輸入されたのは明治三十年頃、横濱在住の外人エベリーハイムがアメリカよりオリエント號蒸氣自動車を輸入せられたのが初めと云ひ、又明治三十三年大正天皇御婚儀の際、米國在住の邦人が御祝として蒸氣自動車二輌を獻上せるのが嚆矢であると云ひ、・・・