2023年5月24日水曜日

引き札 - 7

 引き札 - 7

これも白黒コピーの引き札、播洲加古川の自転車商、楠本商店。

英国製、ハンバー、センター、ノートン、アライアンス

米国製、ピアス、スネル

欧米各国、自転車付属品並びに修繕

自転車 播州加古川 楠本商店

とある。

銘柄を見ると日英同盟以降の明治40年代前半と思われる。それまで主流であったピアスやスネルの米国車が英国車の次に紹介されている。

提供:斧 隆夫氏

1910年(明治43年)の神戸、橋本商会のカタログを見ると次のような銘柄車が載っている。
ハンバー、インペリアル、センター、ノートン、スターレー、ラピッド、アライアンス、スタンダード、プリティー、サンシャイン・ハンバー、東洋総代理店

橋本商会は、明治時代に神戸で自転車の販売と修理を行っていた自転車専門店。
当時の日本では、自転車はまだ珍しい乗り物であり、高価であったが、橋本商会は、海外から積極的に自転車を輸入し、その需要に応えていた。また、自転車の普及にも貢献し、神戸の自転車愛好家の集まりである自転車倶楽部も結成した。橋本商会は、明治期の自転車文化の先駆者として、神戸の歴史に名を残している。
余談だが、明治34年12月30日には、世界自転車無銭旅行者の中村春吉がこの橋本商店を尋ね、昼飯を御馳走になっている。

自転車商 橋本商会 店主、橋本治郎七
「関西実業名鑑」 明治40年版
国会図書館所蔵