マクミランの自転車
昨今、このマクミランは自転車の通史から消えようとしているが、以前はドライジーネの次に紹介されていた。
その謳い文句は初めて地面から足が離れた自転車
当研究会の年表では、
1839年、イギリスのカークパトリック・マクミランが、後輪駆動の二輪車を考案。これにより二輪車として、初めて地面から足を離すことができた。しかし、この自転車は当時のものが1台も現存していないことから、疑問視する研究者もいる。
特許資料なども発見されていない。しかし、少し古い自転車の歴史本にはこのマクミランが必ず顔を出している。
以前は自転車文化センター発行の自転車年表の表紙を飾ったこともある。
下の資料は米国のワルターさんから売りに出ていたレプリカのマクミラン。
このレターシートの日付は、1993年12月8日。
註、ワルターさんとは、フロリダの自転車コレクターのワルター・ブランチ氏のことだろか。
資料提供:八神商会
いまでは、
キルマーノック・ヴェロシペードのレプリカとした方がよいのかも知れない。
下の図は「英国のメカニックそして科学と芸術のミラー」1869年5月14日号
「THE ENGLISH MECHANIC AND MIRROR OF SCIENCE AND ART」
May 14, 1869.
このキルマーノック・ヴェロシペード(THE KILMARNOCK VELOCIPE)、まさにカークパトリック・マクミランのヴェロシペードに大変良く似ている。
キルマーノック・ヴェロシペードをマクミランとあえて混同させ、この図の自転車をマクミランとしたと思われる。製作者のトーマス・マッコールもマクミラン同様にスコットランド在住であった。マクミランはスコットランドのダンフリースで、マッコールはキルマーノックである。
1880年代にジェームズ・ジョンストンという金持ちのトウモロコシ商人が叔父のカークパトリック・マクミランを最初の自転車発明者にするため、マッコールのデザインをマクミランにしたとも云われている。そして1839年の日付まで追加した。
ジョンストンの依頼で、マッコールは1890年代にマクミランのものとして展示するレプリカを製作したとも。
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