濱田自転車店関連 - 1
不忍池畔の内外聯合の自轉車大競爭會
自轉車の我國に行はるるに至りしは近年の事なれど、遞信省は電信配達に採用すまでに進みたり、大阪の自轉車家の三人して東海道を東京へ自轉車旅行を試みしもあり、實用に遊樂に乗用のもの日に益々多く、十一月六日(明治31年)には遂に内外聯合自轉車大競走會は不忍池畔に催ふさるるに及べり。・・・
第一回子供競走(一哩) 九名 第一岩谷吉三 第二岩谷竹次 第三大倉喜七郎 第四仁藤安太郎 第五田崎鐵太郎
第二回競走(二哩) 八名 第一着岩谷松三 第二杉野周次 第三 中西末三郎
第三回提灯競走(一哩) 十七名 點火の消えざる者山崎文二郎
第四回競走(十哩) 七名 第一小林 英 第二奥野由太郎 第三中西末三郎 第四メーソン 第五金子榮吉
第五回選手競走(一哩) 三名 第一 ドラモンド 第ニ スコット 第三 ストラック
第六回競走(三哩) 八名 第一奥野由太郎 第二杉野周治 第三岩谷松三
第七回 大人競走(一哩) 十名 第一鈴木菊三郎 第二安田順輔 第三濱田正行
第八回 選手競走(五哩) 四名 第一スコット 第二小野寺正一朗 第 三ストラッセル
第九回 傘持競走(一哩) 十名 第一福島直吉 第二淺沼 治 第三岩谷鷹造
第十回選手競走(二十哩) 二名 第一鶴田勝三 第二ドラモンド
右の外小林作太郎、田崎鐵太郎、福島直吉氏等の曲乗りありしが・・・
註、第7レースの三着、濱田正行に注目、彼は神田錦町の濱田自転車店の店主、明治13年、アメリカに渡り農業器械製造を修行をしてきた人物。或いはかの地で自転車にも興味を持ったと思われる。濱田家は、江戸時代に乞田(多摩)で刀鍛冶をしていた家柄である。
26、27頁
PICTURES EXPLANATIONNo. 1. Represents the bicycle race which was held at Ueno park, Tokyo, about a months ago A large crowd of spectators gathered there.