2021年4月11日日曜日

老舗さんぽ㊱

老舗さんぽ㊱

昨日もまた小田原の十字町にあった片野屋旅館(自転車無銭旅行者の中村春吉が宿泊した旅館)の調査である。

調査といっても、十字町辺りから箱根方面に向けて、その風景を撮るのが目的である。
なぜなら明治35年の高波の被害で倒壊した片野屋の写真の奥に箱根方面の山並み(塔ノ峰付近?)がうすぼんやりと映し出されているからであり、その写真と現在の風景写真を比べれば、何か分かるのではないかと思ったからである。
現在は周辺に建物も多く、高層ビルはないものの当時よりも建物の高さがあり、山並みがほとんど隠れている。

山並みの撮影後いつもの「十字町ヒストリア」に寄り、そのあたりの大正期の地図などを見せてもらう。

家に帰り何度も写真を見比べてみたが、結果よくわからなかった。多分のこの辺ではと、自分なりに判断した写真が下である。

また、十字町周辺の地図を眺めていたら、3軒の自転車店が載っているのを見つける。

定助自転車店 十字町
セト自転車店 幸町
杉山自転車店 万年町
である。
定助自転車店は初めて聞く名前である。位置的には十字町のちょうど現在ある野地サイクル商会あたりだが、果たしてこの店が野地サイクル商会となにか関係があるのか? 

セト自転車店は、最近まで営業していた瀬戸自転車店であることが分かる。位置的にも現在と同じである。

万年の杉山自転車店も位置は少しずれているが恐らく現在まある㈱杉山モータースに相違ないと思われる。

旧十字町付近
片野屋はこの辺りか

明治35年に倒壊した片野屋旅館
奥に箱根の山が見える
典拠、「一枚の古い写真」平成10年10月1日発行

大正14年7月25日発行の最新小田原案内図

同上の万年付近

地図の端にある広告
不鮮明だが自転車が見える