昭和17年7月8日発行の「寫眞週報」第228号より
写真の説明
①本文には次のようにある。(一部抜粋)
セレベス島の首都マカッサルの市街を歩いていると、一頃の東京のタクシー のやうに、 ティガ・ロダが小さな日の丸の旗をはためかしながら群ってくる。
ティガはマレー語で三人、ロダは車輪のことで、ティガ・ロダは文字通りに客を前へ乗せて運轉手がペタルを踏む三輪車、日本のリャカーを乘客用にしたもので、革張りの客席には肘を置くところも付いてる、乗り心地のよいものだ。
そのティガ・ロダの運轉手は黒いトルコ帽や中折帽子をかぶつたインドネシアの青年ばかりで、ベタルを跣で踏みながら寄ってきて、
『 乗るか、乗るか』
『これか、これか』
と片言の日本語で叫んで、眼をクリクリさせて微笑んでいるが、黒い顔には敵意はもとより不安、陰険などといふ翳はなくて、好意に満ちた瞳であり、顔である。
現在でもインドネシアでは庶民の足として、三輪車(三輪タクシー)が利用されている。
「バジャイ(bajaj)」と呼ばれているが、最近ではバイクや自動三輪を利用した車が多い。
④農家のお手伝いに銀輪乙女部隊
栃木県 阿部由二
猫の手も借りたいほど忙しい農村へ勤労を捧げようと今年も学徒が総動員されました。宿泊部隊もあれば徒歩部隊もある中に、今年は特に農村から沢山な自転車が学校に提供され、
これにうち跨った女学生たちは颯爽と農村へ進軍しています。
と、この写真のキャプションにある。
戦時中のことなので、総動員とか部隊、進軍などの言葉がちりばめられ、時代を感じさせる。
①セレベス生まれの更生車に乗る兵隊さんたち
②マカッサルの更生車
③掲載ページ 10頁から11頁
④22頁の写真
銀輪乙女部隊
⑤表紙