2021年6月22日火曜日

大正期の絵葉書③

 大正期の絵葉書③

下も大正期の絵葉書である。

この絵葉書は、横浜開港資料館所蔵でキャプションに横浜本町通り郵便局及び生糸検査所とある。
右が郵便局で左の建物が生糸検査所である。やや左奥に横浜のシンボルである開港記念会館が見える。
関東大震災後は生糸検査所は弁天橋寄りに移転している。

①の説明、
先ず乗り物に注目した。
自転車が6台、人力車が2台、幌付き馬車が1台見える。自転車は一見4台に見えるが、よく見ると全部で6台である。探してほしい。
左の人力車には紳士(背広姿の外国人風)と思われる人物が乗っていて、弁天橋方面に向かっている。右の人力車は客待ちのようだ。

この絵葉書の撮影年を絞ってみると、先ず大正期でも大正12年の震災前であること、そして開港記念会館は大正6年に建設されているので、その間の6年間ということになる。大雑把に自転車の台数や電線柱の数の多さから判断して、大正8年頃と推定したい。自転車の後輪部が分かればもう少し迫ることが出来るのだが、どれも前向きで荷台やスタンドが見えない。左から2台目の自転車は後ろに荷物のようなものが見えるので、大正10年に近いかも知れない。自転車の後輪にスタンドや荷台が自転車に一般的に取り付けられるようになったのは大正10年前後からである。

①主に自転車を拡大

②元の絵葉書
横浜開港資料館所蔵

③明治期の「横浜写真」より
右は郵便局
人力車と荷車だけで自転車は見当たらない
電線柱も非常に少ない

④現在の様子
右は神奈川県庁
横浜港郵便局はこの写真では見えていないが
手前の日本大通りの四つ角右にある
Googleストリートビューより