自転車関係資料㉒
下の資料は、昭和17年11月11日発行の「写真週報」第246号である。
まさにこの時期は戦時色一色の内容で、戦線や敵艦隊撃滅などの文字が並ぶ。
①は昭和17年10月29日から6日間にわたって明治神宮外苑競技場で開催された第13回明治神宮国民練成大会の一コマを拡大したもので、軍事訓練を兼ねた自転車障害物競争である。この写真のキャプションに「マレーの進撃もさこそとばかり自転車訓練の激戦はつづく」とある。マレーの進撃には銀輪部隊が大いに活躍したことが、この時期国民に喧伝されていたからである。
大会の名称も国民体育大会ではなく国民錬成大会に変更されている。競技内容もすべて軍事訓練といったところである。
③は、まだあどけない少年である。一見少女にも見える。「少年戦車兵学校一日入営」とあり、戦車帽と訓練服に身を固めているが、どう見ても服装と童顔が一致していない。ある面悲哀さえも感じてくる。訓練は10月25日に富士山麓の上井出村の少年戦車兵学校で行われた。
このように戦争は、すべての善良な国民が狂気に近い状況を強いられてしまうのである。
①4頁下の自転車障害物競争
②ページ全体、4.5頁
第13回明治神宮国民錬成大会
③表紙
「写真週報」昭和17年11月11日発行 第246号