2009年4月1日水曜日

ラッジ

 このラッジのレーサーは、私の好きなオーディナリーの一台です。
 この写真は、1887年のラッジのカタログから転載したものです。
 ラッジは、イギリスのダニエル・ラッジ(ダン・ラッジ1840年-1880年)が自転車の中心地として有名なコベントリーで創業した企業です。彼は、1878年に調整可能なボールベアリングを組み込んだハブベアリングを発明し、特許(英国特許番号526 )を取得しています。
 1891年に行われたパリ~ブレストのレースでは、このハブベアリングを使った自転車で、フランス人のチャールズ・テロンが優勝し、一躍ラッジの名前が知られるようになりました。その後、ラッジの会社は、1894年にラッジ・ホイットワースサイクルなどに変遷していきます。
 日本にラッジ(当時ラーヂと呼ばれていた)が本格的に輸入されるようになるのは、日英同盟(1902年、明治35)以降からで、主に東京南伝馬町の坂田自転車店などが販売していました。その後、日米商店が、1906年にラッジ・ホイットワース社と直輸入の契約を結び、本格的な輸入を開始しました。ラーヂといえば日米商店というように代名詞のようになりました。同年には、1,500台のラーヂを懸賞付で販売し、半年間で完売するほどの盛況ぶりでした。ラッジとのつながりは、その後、商標権の問題が発生する昭和2年頃まで続きました。