先のブログ(2009年4月5日 曲乗り)で「日本の自転車曲乗りのはじまりはどうやらこのボーンとシッ ド・ブラック一座の影響と思われます」と書きましたが、これを裏付けるような文章が志賀直哉の短編小説「自転車」の中にありました。次のような文章です。
どれだけかして、往来での競走にも余り興味がなくなると、今度は曲乗りに興味を持つようになった。ある時、仲間のニ三人が横浜でバーンという曲乗りの上手な男が、前輪を高くあげ、後輪だけで走っているのを見て来て、驚いて私達に話した。暫くして、松旭斎天一の奇術の興行の中で、バーンの曲乗りを見、それから私達の間にも急に曲乗り熱が高まった。
バーンとはボーン(William .C.Vaughn)のことで、前輪を高くあげ、後輪だけで走っているとは、まさにウイリー走法(Wheelie)です。