古い絵葉書-5
この絵葉書は東京名所の鎧橋である。
鎧橋は、1888年(明治21年)に近代的なトラス構造の橋にかけ替えられた。
1915年(大正4年)には、拡幅工事も行われ、路面電車が走るようになった。この絵葉書はその頃のものと思われる。
人力車3台、自転車2台、大八車1台、それに路面電車が見える。
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古い絵葉書-4
下は年賀はがき。中林両替店から大分県下宇佐郡八幡村 長岡三郎 殿に宛てたもの。
生憎、年度が分からない。自転車からの推定では大正5年前後と思われる。
下の新聞記事は、大正6年7月14日付けの東京日日新聞から、
・・・因に中林氏は明治二十一年両替商を営み・・・
とある。
年賀はがきの宛名面にも明治21年創業と書いてある。
自転車は2台見える。荷台も両立スタンドも無い。右の奥にはサイクルスタンドが置かれている。中央には人力車もあり、幟には朝鮮京南鉄道株式売出と書いてある。
因に中林氏は明治二十一年両替商を営み爾来所有万難を排し時代の推運と共に現今株式現物問屋、ビルブローカーを開始せるが欧洲戦乱以来船株等にて多大の富を造り今や一族相謀り合資組織にて阪神間青木附近に広大の地所を買収し、中林土地合資会社を創立して住宅地経営事業をも創始すべく計画中なるが同店の信用は今や関西同業者中屈指の者たり
神戸大学附属図書館 新聞記事文庫より
バックナンバー 115
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.115
2001年8月26日作成 日本自転車史研究会バックナンバー 114
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.114
2001年8月25日作成 日本自転車史研究会
●流山と自転車老舗さんぽ-51
今回の「老舗さんぽ」も神奈川県足柄上郡松田町の自転車店巡り。
先の鍵和田自転車を探索中に丸光自転車店が現在も営業していることを知り、自転車散歩の途中で立ち寄ることにした。この店も創業は古く大正10年前後と思われた。現在の店主は二代目と言っていたが、実際は初代小野光助さんの実兄が同じ場所で大正期に始めていたので、直系ではないが、現店主は三代目になる。
創業者、小野千太郎さん(光助さんの実兄)→小野光助さん→現店主(勝弘さん)
暖簾の「丸光」は、光助さんの名前から採用。名鑑では光蔵さんになっている。
大正・昭和初期の松田町には自転車店が11店舗あったが、現在は丸光自転車店だけになってしまった。
①松田惣領 鍵和田瀬吉
②松田町南通 鍵和田末吉
③松田惣領 小野光助
④松田町小田急駅前 杉崎松之助
⑤松田町神山 川久保徳則
⑥松田町南通 加藤壽男
⑦松田町 亀田屋自転車店
⑧松田町 角吉自転車店
⑨松田町 中島忠三
⑩松田町 中田忠蔵
⑪松田町 星野爵弐
バックナンバー 113
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.113
2001年8月23日作成 日本自転車史研究会
●シンガー三輪車の文献自転車関係資料-74
下の資料は年賀はがき、宛名の消印を見ると、明治36年1月1日とある。
当時の舶来自転車の銘柄が並ぶ、
クリーブランド、ピアス、イーグル、コロンビア、ランブラー、アイバンホー、クレセント、デートン、アイデアル、ウエストフィールド
新潟県代理店 芳屋自転車部
輪用雑貨美術品商 新潟市古町通四番町 芳屋徳右衛門
宛名の五十嵐甚蔵に注目、新潟県笹岡村の大地主で代々甚蔵を襲名、二代目は自転車好きだったようである。(他に自転車店からの葉書もあり)
二代目の略歴バックナンバー 112
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.112
2001年8月16日作成 日本自転車史研究会
●海軍専用車自転車関係資料-73
下の資料は新聞の切り抜きである。
新聞名は、大阪朝日新聞と分かっているのだが、肝心の日付が分からない。
そこで、この広告の文面から探ってみると、
「第四回内国勧業大博覧会」、「昨年以来我征清軍」、「4月11日より」
のキーワードから推定すると明治28年4月と云うことになりそうだ。
この広告には自転車の画が右端にあったので、たまたま保存していたもの。
神戸市楠公前 坪井商店 坪井多三郎
画の自転車を見るとミショー型であるが、広告には「●自転車 英国最新の製造に係る空気入り其他軽便改良品色々」
とあるから既に空気入り安全型自転車を販売していた。
何れにしても日本では明治20年代の前半はダルマ自転車が主流で、やっと明治25年辺りから空気入り安全型が登場する。
老舗さんぽ-50
久々の「老舗さんぽ」、先日は松田町方面を自転車で散歩する。
目的は以前あった「鍵和田自転車」の探索である。
何回か既に試みていたが、まったく分からず諦めていたが、ひょんなことからその場所が判明した。
写真①が「鍵和田自転車」の本店があった場所。現在は蔵のような建物があるのみ。それと支店があった場所も判明する。写真②がその場所。現在は更地になっていて、つい最近までここに建物があった。Googleストリートビューを見るとクリーニング店であるが、以前は自転車店。何時ごろかハッキリしないがかなり前に自転車店を廃業したと聞いている。
バックナンバー 111
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.111
2001年8月1日作成 日本自転車史研究会
●サザビースのオークション自転車関係資料-72
下の資料は「東京勧業博覧会審査報告 巻4」の自転車重量表 明治41年12月26日発行 東京府庁より
註、東京勧業博覧会は、1907年03月20日(明治40年)~1907年07月31日(明治40年)に開催された。
会場:上野公園・不忍池畔
東京勧業博覧会審査報告、巻4 明治41年12月26日
自転車重量表
府県 出品人名 種類 総重量 適用
東京 松下幸作 アライアンス号 3,850匁(14.4kg) 金製リム付車輪
東洋号三号 3,470匁(13.0kg) 金製リム付車輪
東洋特許式 4,090匁(15.3kg) 金製リム付車輪
東洋号四号 2,860匁(10.7kg) 競走用木製リム付車輪
アライアンス号メ式 4,280匁(16.0kg) 金製リム付車輪
ヒーロー号 3,340匁(12.5kg) 木製リム付車輪
東京 宮田栄助 パーソン号 3,440匁(12.9kg) 木製リム付車輪
凱旋号 3,850匁(14.4kg) 木製リム付車輪
旭号三号 3,620匁(13.5kg) 木製リム付車輪
扶桑号 3,780匁(14.1kg) 木製リム付車輪
旭号曲乗用 3,750匁(14.0kg) 木製リム付車輪
特別旭号 3,970匁(14.8kg) 金製リム付車輪
旭号競走用 2,730匁(10.2kg) 木製リム付車輪
ホイラー号 3,470匁(13.0kg) 金製リム付車輪
大阪 角商会 ブラザー号 3,350匁(12.5kg) 木製リム付車輪
ラチオネ号 3,510匁(13.1kg) 金製リム付車輪
山梨 原商会 防震用富士号 3,870匁(14.5kg) 木製リム付車輪
註、現在の自転車とあまり変わらない重量である。当時の工作技術の高さを垣間見ることが出来る。松下幸作(東洋商会)、宮田栄助(宮田製作所)
バックナンバー 110
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.110
2001年5月5日作成 日本自転車史研究会
●究極のエネルギー消費自転車関係資料-71
下の資料は石川商会の自転車正価表、発行年は書いてないが、富士山と自転車の画から明治34年であることが分かる。
この資料は虫食いがひどく穴がぽっぽつとあいていて、経年を感じさせてくれる。
自転車での富士登山は鶴田、ヴォーガン、デビンらによって明治33年8月21日に決行され、当時話題を呼んだ。新聞や雑誌でも報道された。
ピアス、アイバンホー、スネルは、石川商会の主力銘柄。
バックナンバー 109
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.109自転車関係資料-70
下の資料は自転車店のチラシ。
このチラシには年代が分かる文字が見当たらない。大正14年発行の日本輪界興信名鑑には既にこの店が載っている。開店15周年とあるから創業年が分かればすぐに判明するのだが、いまのところ分からない。大正後期か昭和初期で間違いはないと思うが、判然としない。
この自転車店、現在は廃業しているようである。
チラシの文面、
謝恩大売出し 開店拾五周年記念バックナンバー 108
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.108
2000年12月12日作成 日本自転車史研究会
自転車関係資料-69
下の資料は、二つ折りのチラシ、平和博の記念メダル引換券にもなっている。
杉野商店の「國一號」(くにいちごう)を購入した際に、この引換券を提示すると18金の記念メダルがもらえるという趣向。
平和博とあるからこのチラシの発行年は1922年(大正11年)ということになる。
斯界の第一線を占むること国一号は、今や凡ゆる階級より人気と賞賛の焦点となっています。逓信省初め官辺の多数な御用命がこれを最もよく説明しています。
バックナンバー 107
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.107
2000年11月23日作成 日本自転車史研究会
☆日本サイクリング協会誌自転車関係資料-68
この資料は、ライフル號自転車のチラシ。
自轉車 米国特許號 ライフル
"RIFLE"
SPECIAL MAKE
RELIABLE SERVICEABLE PRACTICAL
AND ECONOMICAL
MOST UP-TO-DATE 1922 NEW STYLE
RIDE A BICYCLE FOR CONVENIENCE.
RIDE THIS BICYCLE: THIS IS THE BEST.
"ライフル"
特別製造
実用的で信頼性の高いサービス
そして経済的
1922年の最新型
便利な自転車に乗る。
この自転車に乗る:最高だ。
推薦と督励
米國大統領ハーデンク氏の懇切なる書簡
米国華府白亞殿にて本年三月四日認められたる手紙が秘書官の手から弊社に参りました、日米貿易と社会奉仕とに努力して居る弊社は一國の元首から此有り難き言葉を頂き一層奮勉して諸氏の御期待に背かない樣に奉仕する様、大なる決心を致しました、謹んで諸氏の御後援を御願ひ申上ます。
註、ウォレン・ガメイリアル・ハーディング(Warren Gamaliel Harding, 1865年11月2日 - 1923年8月2日)は、1920年の選挙でアメリカ合衆国の第29代大統領になる。
バックナンバー 106
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.106
2000年11月15日作成 日本自転車史研究会
●長谷川・スピーデンWeb開設自転車関係資料-67
この資料は日米商店の二つ折り名刺型の広告、1937年(昭和12年)
いまでも時々古書店などで売られている。
どういう訳か同じものが3枚ある。
その謳い文句に、
世界の市場に名声を博す
富士自転車
科学工業の粋を集めて製出する最高級優秀車より大衆的普及車まで十数種類あり。
富士自転車愛乗家倍加運動大懸賞売出中
株式会社 日米商店 名古屋支店 名古屋市西区伝馬町三丁目
サイクリストのメモ
先日、1969年のメモ帳を見ていたら、「自転車で放浪」という記事が目に留まった。
たった1行のメモだが、何となく当時を思い出させてくれた。
1969年(昭和44年)6月4日(水)晴れ
自転車放浪家、(まさにRover?)
この日の放浪コース、
西久保→小出→遠藤→用田→寒川→帰途
たったこれだけである。
しかし、小出の急な坂や、遠藤のあまり車が通らない道、藤沢の用田(昔は用田村)、寒川神社など。今では懐かしい思い出になっている。自転車は宮田の軽快車であった。
この日の新聞ニュースとして、
モスクワ3日=タス通信 ソ連は、人工衛星コスモス285号を打ち上げた。
註、コスモス衛星(ロシア語: Космос)はソビエト連邦とロシアの人工衛星。1962年3月16日の1号機~2504号機(2015年3月31日の時点)
バックナンバー 105
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.105
2000年10月26日作成 日本自転車史研究会
●ブリヂストン製モールトン●Poly Japon 2000
同イベントが長野の穂高町で、10月21日、22日の2日間開催。全国から60名の参加者があり盛況だった。今年のテーマは、ルネエルスで、タンデムを含め30台近くのエルスが参集した。
自転車関係資料-66
下の資料はサンビームの雑誌広告。
「THE IRISH CYCLIST AND ATHLETE」xi. FEBRUARY 6, 1889
雑誌「アイルランドのサイクリストとアスリート」1889年2月6日発行
SUNBEAM CYCLES, 1889.
THE SUNBEAM ROADSTER.
JOHN MARSTON、Paul Street Works、WOLVERHAMPTON.
38, Holborn Viaduct, LONDON.
バックナンバー 104
ニュースレター(NEWSLETTER)NO.104
2000年8月26日作成 日本自転車史研究会
●国際自転車歴史会議、大阪・堺で開催
第11回国際自転車歴史会議が堺のシマノ本社屋で開催された。
この会議は8月24日から25日の2日間の日程で行われた。
8月24日(木)シマノ本社の会議室で、自転車歴史研究発表会。第1部から第3部まで。
8月25日(金)前日に引き続き自転車歴史研究発表会。第4部から第7部まで。
発表者は全部で25名。うち日本人は下記の8名。
齊藤俊彦氏・・・・・・・・・・本邦道路交通における自転車の歴史的役割
大津幸雄氏・・・・・・・・・・日本のオーディナリー型自転車の歴史
梶原俊夫氏・・・・・・・・・・ わが国初期安全型自転車製造技術
小池一介氏・・・・・・・・・・日本の第2次大戦前のスポーツ車の歴史
中村博司氏・・・・・・・・・・日本の変速機の変遷
八神史郎氏・・・・・・・・・・日本の自転車の輸出、輸入の歴史
ヤマハ発動機、高田氏・・・・・電動ハイブリット自転車について
自転車産業振興会、河野氏・・・日本の自転車レースと競輪の歴史
過去の開催地
第1回 1990年 - 英国、グラスゴー
第2回 1991年 - フランス、サンテティエンヌ
第3回 1992年 - ドイツ、ネッカーズルム
第4回 1993年 - 米国、ボストン
第5回 1994年 - 英国、ケンブリッジ
第6回 1995年 - 南アフリカ、ヨハネスブルグ
第7回 1996年 - 米国、バッファロー
第8回 1997年 - 英国、グラスゴー
第9回 1998年 - カナダ、オタワ
第10回 1999年 - オランダ、ナイメーヘン
註、来年の第31回の歴史会議は、米国のインディアナポリスで開催予定。(2022年7月16日~20日)
国際自転車歴史会議のHPは、→ こちら
自転車関係資料-65