2021年11月30日火曜日

バックナンバー 103

 バックナンバー 103

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.103

 1999年12月25日作成 日本自転車史研究会

●2000年に日本で国際自転車歴史会議開催決定
国際自転車歴史会議については既に何回かこのニュースレターでもお知らせしているが、この程その概要が明らかにされた。 開催日は2000年8月23日から8月25日の三日間。場所はシマノと同社の自転車博物館である。 詳しい内容はまだ明らかにされていないが、日程はほぼ次のとおり。 8月23日(火)シマノの工場見学と自転車歴史博物館の見学。 8月24日(水)シマノ社内の会議室で、自転車歴史研究発表会とシマノ主催の歓迎パーティー。 8月25日(木)昨日と同様引き続き研究発表会。研究発表会終了後は、翌年2001年の国際自転車歴史会議の件について執行部の打ち合わせ。 この国際自転車歴史会議も第11回目を迎えるが、記念すべき2000年に日本で開催できることは本当に喜ばしいことである。 これを機に人々の関心が向き、日本での自転車の歴史がより深く究明されることを期待する次第である。

●ペニーファージング・チャンピョンシップ
来年の2月恒例のチャンピョンシップが真夏のオーストラリア・タスマニア島で開催される。内容は、センチュリー・ライド、100マイル(162km)、エアーポート・スプリント(1マイル直線コース)、スローレース、スラローム、チャンピョンシップなど。

●中国にもクラシック自転車のコレクター
ザ・ホイールメンのニュースレター誌10月号によると中国にもクラシック自転車のコレクターがいるとのこと。
 
●日本にオーディナリーのクラブ誕生?
新潟県に住む英会話教師、ドンさんから事務局に電子メールがこの程届いた。彼は日本でオーディナリー自転車を作りラリーやレースを開催したい考えのようだ。オーディナリーの製作はパーツを主にオーストラリア、ニュージーランドから輸入して日本で組み立てる。日本人の長谷川氏と店を持ちそこで販売する。これで日本でもオーディナリーに乗る人が増え将来的に日本でこの自転車による世界選手権レースが行われることを期待する。
 
●自転車のチェンジギアの歴史本
「The Dancing Chain -History and Development of the Derailleur Bicycle」というチェンジギアの変遷を書いた本が発行された。著者は、FRANKO BERTO,RON SHEPHERD,RAYMOND HENRYの3氏。年代的には1865年から1999年までの歴史を紹介している。マニアならずとも是非備えたい一冊である。

Unlike other bicycle history books, which cover only the first 100 years, this book deals extensively with the second century of bicycle development. It traces the development of the modern derailleur bicycle from its crude beginnings right up to the most modern mountain bikes and road racing bicycles. This thoroughly updated and expanded edition includes over 100 additional illustrations and hundreds of text corrections and updates.

「The Dancing Chain」

2021年11月29日月曜日

自転車関係資料-64

 自転車関係資料-64

この資料は昭和30年の広告チラシ。

その文面には次のように書いてある。

明快の自転車推進運動
御協力感謝行事
期間中売出し商品御買上の方を左記の通り感謝御慰労申上げます
期 間 自昭和三十年六月一日・至昭和三十年八月三十一日
売出要領
明快の自転車10台(キング明快号、明快実用号、新明快号、キリマン号)
ケーアール タ・チ十組
右の商品お買上げ、御入金(九月中)の御方様
御一名様御招待申上げます。
時期 昭和三十年十月中旬頃
伊勢神宮参拝 観光の地
伊勢志摩国立公園以下
名古屋市中村区長戸井一丁目十九
合資会社 メイカイ自転車製作所

メイカイ自転車製作所の広告チラシ
昭和30年5月

2021年11月28日日曜日

バックナンバー 102

 バックナンバー 102

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.102

 1999年7月15日作成 日本自転車史研究会

●”開運!なんでも鑑定団”にダルマ車登場

7月13日午後9時からのテレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」に自転車が久々に登場した。以前にも確か一度自転車は出たことがある。その時は、1970年頃のイタリア製自転車ゴルナゴだった。この時の鑑定でもがっかりしたが、今回の鑑定も期待を裏切るものだった。自転車を知らない人に鑑定させているので止むを得ないのだが、非常に残念だ。前回のゴルナゴは、高すぎたし、今回は安すぎる。自転車がこの体たらくなら、他の物件も疑問に思えてくる。どうみてもこの自転車は100万円位の評価を出して欲しかった。何よりの救いは一人の鑑定員が80万円と言ってくれたことだ。これが唯一の慰めだ。ある鑑定員は、イギリスでもこのような自転車は50万円だと言っていた。何をもって50万円なのであろうか?最近イギリスでも木製車輪のオーディナリーは稀少だ。5、000ポンドは下らないと聞いている。ある鑑定員は、程度・保存状態が悪いので30万円が妥当とも発言した。たくさんあるブリキの玩具と同類に考えているのであろうか?他にもこのような自転車が10台も20台もあれば話は別だが。世界に僅か1、2台だったら、あるいはこれが梶野製の自転車だったらどうなのだろうか?ただ単に保存状態が悪いということでの減点法は考え物だ。残念ながらこの番組の鑑定員の自転車に対する見識は、この程度なのである。将来日本でも自転車関係のオークションができるようになり、正当な評価ができる鑑定家が現れることを望みたい。そのような時代に早くなって欲しいものだ。そうすればもう少しまともな鑑定結果が出るだろう。 

●弁理士制度100周年記念郵便切手
郵政省は7月1日、弁理士制度100年を記念して、人動車をデザインした記念切手を発行した。この人動車は、特許代理業者登録規則が施行された明治32年7月1日に、特許となった乗り物である。この人動車、その後話題にならなかったところを見ると、特許をとっただけで、ものにならなかったのだろう。

弁理士制度100周年記念郵便切手

●国際自転車歴史会議、2000年に日本で?
名古屋の八神氏からの情報によろと、自転車歴史会議の2000年開催国は日本に決まったらしい。どうやらシマノが中心となり、話が進んでいるようだ。会場や日程等はまだ決まっていない。

●産業考古学会の論文集
5月15日に開催された産業考古学会の第23回の総会に「自転車文化センター保存資料にみる自転車錠の種類と変遷」と題し、谷田貝一男氏の研究発表があった。この内容については、同会発行の論文集に収録されている。表紙はあの三菱十字号である。


2021年11月27日土曜日

自転車関係資料-63

自転車関係資料-63

下の資料は雑誌かチラシの切り抜きである。偶々明治後期の写真があったので保存しておいたもの。写真は薬屋である丹平商會分店の店舗前である。明治42年頃と思われる。

その写真の裏面には次のような、記事とグラフが載っていた。

・・・・なる努力に由るものなれば捷って兜の紐を解かざるの精神を体せらるるに於ては爾後一層の活況を呈し愈々確固不抜獨立獨步の業務たる成績を挙げ世人をして斯業の盛大なるを羨望せしむるに至るべし其最後の月桂冠を頂くと否とは一に繋りて各位の双肩にあり冀くば前途の曙光を楽み奮励一番せられんことを、僭越の辞は各位の御宏量に任じ偏へに御寛恕あらんことを請ふ・・・・

却説弊店の業績を概述致し候得ば幸いにして弊店も前記の余沢に洩れず華主各位の深甚なる御後援と熱誠なる御同情に浴し年と共に盛況を加へ其売上高に於て偉大なる増額を示したるは店員一同の欣喜雀躍手の舞ひ足の踏む處を知らざる程に御座候、左に最近四十一年四十二年両年度に於ける営業成績累月高低及對照表を御参考迄に貴覧に供し其事實を證明仕候

丹平商會分店卸賣営業成績表

赤、四十一年

黒、四十二年

(グラフ省略)

●但し四十一年、四十二年両年度に於ける累月高低を示す

如斯良成績を挙ぐるは全く華主各位の至大なる賜物に外ならざる義に付弊店は此鴻恩に酬い んため世運に遅れず進取的氣象を以て世の・・・・


丹平商會とは、現在の丹平製薬であり、同社の沿革をみると明治27年の創業とある。

この店舗前の写真を見ると、薬箱が山のように積み上げられている。人物は7名、おそらく店長と従業員であろう。左側に自転車が1台写っているが、銘柄までは分からない。

丹平商會分店の店舗前 明治42年頃

裏面の営業成績表

丹平製薬の沿革(同社のHPより)
1894年 (明治27年) 売薬業として森平兵衛が大阪・心斎橋の地に丹平商会薬房を創設
1896年 (明治29年) 当時としては斬新かつ貴重な頭重薬「健脳丸」(現:健のう丸)を創成・発売
1898年 (明治31年) 丹平商会に改称
歯痛薬「今治水」(現:新今治水)の販売を開始
1907年 (明治40年) 東京支店竣工 (現タンペイ日本橋ビルの前身)
1924年 (大正13年) 画期的な複合商業ビル「丹平ハウス」竣工
1925年 (大正14年) 皮膚病新薬「アスター」(現:アスター軟膏)を発売
1936年 (昭和11年) 丹平商会が株式会社に改組(会社設立年)
1957年 (昭和32年) 丹平製薬工業に改称
1965年 (昭和40年) 茨木市宿久庄396番地(現:2丁目7番6号)に本社・工場を新築、移転
1968年 (昭和43年) 丹平製薬株式会社に改称
1969年 (昭和44年) 第4代目社長に森輝彦就任、会長に森楢栄就任
1972年 (昭和47年) 洗剤メーカーのアロマ株式会社を合併、洗剤部門に進出
1987年 (昭和62年) 「アルエット洗たく用せっけん」を発売
タンペイ日本橋ビル竣工(地上7階、地下1階のテナントビル)
1990年 (平成2年) 乳幼児向けスキンケア商品「アトピタ」シリーズ発売
1994年 (平成6年) 創業100周年記念式典をハワイにて開催
1999年 (平成11年) 東京支社をタンペイ日本橋ビルに移転
2001年(平成13年) 歯垢が赤く見える液体ハミガキ「こどもハミガキ上手」を発売
2006年(平成18年) ハミガキあとの仕上げケア「ハミケア」を発売
2011年(平成23年) 「ママ鼻水トッテ」が第2回マザーズセレクション大賞ベストベビーケア部門を受賞
2014年(平成26年) 「カンガルーの保冷・保温やわらかシート」が第8回キッズデザイン賞を受賞
創業120周年記念式典を開催
2017年(平成29年) 第5代目社長に森宏之就任、会長に森輝彦就任

2021年11月26日金曜日

バックナンバー 101

 バックナンバー 101

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.101

 1999年5月16日作成 日本自転車史研究会

●一般誌でも自転車
最近、一般誌の「ラピタ」や「ペン」で自転車を特集している。 自転車がいまやトレンドなのか?そうとも感じないのだが。まあ、ともあれよい傾向だ。 「ラピタ」の5月号ではシカゴのあるコレクターを紹介。実は1991年に私は彼のコレクションを 実際に見ている。確かに記事のとおりその数は半端でない。300台以上は間違いなくある。 ただ言えることはその中で歴史的に価値ある自転車はほんの数台である。正直言ってほとんどは ガラクタだ。もちろん分類も調査もされていない。ただ雑然と集めたと言う感じである。
ところが 以前「ペン」に紹介されたプライアー・ダッジ氏(音楽家、タンゴの名手)のコレクションは本物である。 彼自身、自転車史家でもあり 立派な歴史の本も書いている。また、ホームページも公開している。(当サイトからもリンク)
雑誌が取り上げる内容は様様だが、今後もこのような特集を期待したい。
 
●マイクさんフォーセールのサイトを開設
ザ・ホイールメンのメンバーであるアメリカのマイクさんがこの程 クラッシク自転車のフォーセールのページをオープンした。彼はオーディナリーの鑑定家でも あり、またレストアも手がける。信頼できる物件なので興味ある会員は照会するとよい。
アドレスは次のとおり。
Antique Bicycles for Sale
http://www.ultranet.com/~hound/AntiqueBicycles.html(現在は行っていない、2021年11月24日調査)

●浅井 忠の画にダルマ自転車
八王子のK氏からの情報によると、明治時代の洋画家である浅井 忠の作品の 中にオーディナリーが描かれたものがあるとのこと。早速送られてきたコピーを見ると 小さいが確かにオーディナリーが2台画かれている。K氏の推測によると彼はパリの万国博後に フランス留学しているので、その時に見たのではないかと言っている。
よほど印象が強かったのであろう。

●スコットランドの自転車史
「Scottish Bicycles & Tricycles」 と題する本が発行された。 この本は、ホビーホースから最近の自転車までを通史としてまとめている。
スコットランドと言えば、カークパトリック ・マクミランを思い出す。どうやら本当の視点は、この辺にあるようだ。しかし、 最近の通説ではその立場は 否定的だ。

「Scottish Bicycles & Tricycles」by Alastair Dodds .1999.P100.
The story of Scottish bicycles and tricycles is covered from the original hobby-horse velocipede to the boneshaker and from the penny farthing to the homemade superbike, offering a glimpse into the trials and tribulations of inventing pedal-power.

「Scottish Bicycles & Tricycles」
by Alastair Dodds .1999年100頁

●100年前の記事
日本の100年前は明治32年である。このころ輸入されて いた自転車を当時の新聞広告から拾ってみると、次のような名前が出てくる。 米国製:ホワイトフライヤー、クレセント、クリブランド、オバランド、アイーデヤ、 ラムブラー、モナクなど。
まだこのころは米国製輸入自転車が全盛であった。 特にクレセントやクリーブランドは人気があった。
また、この年の雑誌「中学世界」東京博文館発行には、桜井 鴎村が「自転車発達の跡」 と題し、2号にわたり自転車史の概観記事を寄せている。
ドライジーネやミショー型、オーディナリー 型の挿絵もあり、分かりやすく解説している。これらは当時の自転車史の状況を垣間見ることができる 貴重な資料である。

2021年11月25日木曜日

自転車関係資料-62

 自転車関係資料-62

下の資料は明治23年発行の「自転車利用論」巻末にある梶野の自転車定価表広告

新形二輪車、新形三輪車、安全二輪車、新形安全二輪車、コロンビヤ形三輪車、婦人用アイデヤル三輪車、二人乗タンデム形三輪車

とあり、この年代で車種とグレードの多さに驚かされる。

末尾には、

右之外各種自轉車御注文ニ応ジ製造可申候将又當所製造之自轉車ハ滿三ヶ年間保除致シ候尤無法ノ乗用或ハ不注意ヨリ原因セル損所ハ當所其責二不任候當所製造之機械ハ外国品二比スレパ価額応ニシテ其形状乗用二適セルハ既二大方ノ高評ヲ蒙リタル儀ニ候間陸続御注文御購求被下度冀上候也

横浜高島町五丁目十番地

自轉車製造所 梶野仁之助 謹白

「自轉車利用論・乗方指南」 金澤来藏著
1890年(明治23年)9月14日出版
国会図書館所蔵資料 コマ番号58

2021年11月24日水曜日

バックナンバー84

 バックナンバー84

 会報「自轉車」バックナンバー84

1995年9月15日発行 日本自転車史研究会

その一部を掲載、

ニュースレター(NEWSLETTER)

●和製ミショー
自転車文化センターの渋谷課長からの情報によると、小金井市の教育委員会に、この程市民から和製のミショー型自転車が寄贈されたとか。同課長から送られてきたFAXの写真を見ると不鮮明だが、和製に間違いない。特徴としては、スポークの数が現存する他の和製ミショーのものより多いことだ。
通常は14本とか16本だがこのミショーは20本もある。また弓なりのヘッドの形状も特徴的だ。
和製ミショーがこれでまた1台発見されたことになる。

現存する和製ミショーの所在一覧
自転車文化センター(東京)
小金井市教育委員会(東京)
加藤輪業(東京)
日本歴史資料館(京都)
明治村(愛知)
中井隆雄氏(?)
海洋美術館(千葉)
西昭二氏(三重)
小西義信氏(宮城)
石黒コレクション(東京)
交通博物館(東京)
徳島県立博物館
河原 正氏(岡山)
宮田工業(神奈川)
広畑浅衛氏(八浜町)
福山市、マリンショップ(広島)
港区役所(東京)
江戸東京博物館(東京)

このリストは、一部古い資料から作成しているので、現在もまだ所在しているかどうか確認していない。

●ポリー・ジャポン95
今年で3回目を迎えるポリージャポンが、昨年同様長野県穂高町のリゾートハウス・クラーレットで開催される。
内容は、次ぎのとおり。
期日: 10月21日~22日
定員:40名
行事;
フリーサイクリング
午後のお茶会
コンクールデレガンス
スワップミート
ゲーム大会
その他
備考: コンクールデレガンスは今年より2部門となる。
テーマ車種部門「ランドナー」
レストア車部門 車種年式不問

●製造卸連合、40年誌発行
日本自転車製造卸協同組合連合会は、この程、創立40周年を迎え、記念誌を発行した。執筆は、佐野祐二氏ほか。
連合会の発足当時の状況について、同誌では、次のように述べている。

まだ戦禍の跡がすべて消えたわけではありませんでしたが、連合会設立のころには、新しい秩序が次第に確立して行く時期でした。
自転車に対する課税は、明治初期の国税にはじまり、まもなく都道府県税、市町村税の地方税に移管され、昭和一桁の深刻な不況時代には、全国から自転車税廃止運動が起こり、戦後も引き継がれていきましたが、1958(昭和33)年、ついに廃止になりました。戦後のインフレーションが年ごとに進行するなかで、少額の課税収入は存在理由を失い、その中に自転車税も含まれていたためです。
ついで、18インチ以下の子供用自転車に課せられていた20パーセントの物品税も廃止になりました。物品税の目的が戦時中の消費購買力を抑制するためのものでしたから、戦後の混乱期が静まれば消滅は自然のなりゆきでした。
新設の連合体は、卸組合連合会と同居して出発しましたが、1965(昭和40)年に分離独立しました。折しも、日本の経済は高度成長期の入口にさしかかる時期でした。
資料提供:佐野祐二氏

●ラレーのレストア
先般、平塚の宮川サイクルスポーツを尋ねたところ、ラレー・ロードスターのレストアをしていた。
自転車はグリーンのスタンダードで26インチ。
オリジナルの色に近付けるのが難しいと宮川氏とオーナー(この人がレストア)が話していた。私が見るところ、ほとんどオリジナルに近い色が出ていたようだが、当人はまだ不満のようであった。
昭和48年頃、ホンダが輸入したラレーがよく町中を走っていたが、最近は見かけなくなった。
また、宮川氏は最近入手したというセル握りや、古いヘッドマークも見せてくれた。そして、一言「古い物は大切にしなければ」と。

●アメリカ在住の船崎氏からレター
昨年のポリージャポンに参加した船崎と申します。
現在、アメリカ西海岸に住んでおり、古い自転車やパーツなど多少集めております。同封致しましたコピーの中で興味ある物があればご一報ください。出来る限り詳しいインフォメーションをお送り致します。
注;同封のカラーコピーには、エルス、サンジェ、チネリ、レニヤーノなどが載っていた。

●1995-06-27 18:11:21 TCN95461(パソコン通信)

昨日、自転車文化センターの帰り、横浜のシマダへ行きました。

例のシマダ・コレクションを見てきました。これは、凄い。まさに地下の秘宝館です。特にクラシック・パーツ類が充実しています。

秘宝館巡りもしたいナー。
私が、現在までに見ている秘宝館は次のとおり。
岡山の河原コレクション
横浜のシマダ・コレクション
京都のシロモト・コレクション
などです。
どなたか、他に公開されている秘宝館ご存じでしたら、紹介ください。
(恵比寿館長さま、いかがですか)
シマダの近くにある東急ハンズにも寄りました。
プロンプトンが59、800円で売っていました。後ろのコロ付き荷台もついていました。
次の点がクリアーされたら即買うところでした。
価格、できれば税込みで5万円
トップチューブが赤ではなく、全部黒がよい
ピラーはアルミがよい
ハンドルは一文字がよい、できれば角付き
できれば外装ハブ
重量がいま一歩軽く
もっとよく見れば、他にも気になる点は、あるだろうが。
でも、5万円だったら即買ったはず。

2021年11月23日火曜日

自転車関係資料-61

 自転車関係資料-61

下の資料は東京都自轉車整備作業所の営業案内チラシ、昭和23年頃

文面には、

營業案内 東京都自轉車整備作業所
台東區御徒町二ノ四六 電話下谷(83)3322番

創立 昭和二十年十月
東京都自轉車リヤカー商業協同組合
東京都自轉車タイヤ商業協同組合
丸都自轉車株式會社 
月産1000台
昭和二十一年三月三十日
昭和二十二年九月五日
生活必需品増産事業助成金下附せらる
昭和二十三年三月二十九日 東京都知事より優良工場として表彰さる

裏面、

●倉庫や庭の隅に放置されてある古自轉車を更生してもう一度お役に立てよう
毎々格別の御引立に預り有難う存じます 扨て弊所儀帝都復興の進展に伴いまして益々拡張し古自轉車の更生加工に一段の努力を致して居ります 故相変らず御用命の程御願ひ申し上げます

●更生車には古自轉車の御提供が絕對必要です
古自轉車の査定は大體次の規準によります
甲……主要部品 半数以上使用出来るもの
乙……主要部品 三品目以上使用出來るもの
丙……主要部品 大体取付あつて一部使用出來るもの
右は車体はそのま、加工使用出來るものを標準として御提供台数の八割以上還元致します。
尚丙以下のどんなものでも台数さへ取り纏め下さればその程度に依りまして五台で三台 十台で五台というように仕上げます

●再生車の規格及價格は左の通りです
級別 価格 車体 主要部品 タイヤ・チューブ

特級 5.935圓 焼付エナメル仕上 大体新品 全部新品
A級 4.747圓 焼付エナメル仕上・ラッカー仕上 一部再製品 全部新品
B級 3.788圓 塗装セ ズ 大体再製品 全部新品

右の外皆様の御希望に依り如何やうにも仕上げます

●一度御來店下さい
製品を御覧に入れくわしく御説明致します

表面

裏面

2021年11月22日月曜日

バックナンバー 100

 バックナンバー 100

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.100

その一部を掲載、

 1999年1月29日作成 日本自転車史研究会

●古河市、自転車中心の街づくり

茨城県の古河市で、自転車を交通体系の中心にすえる 事業が始まった。市の構想によると、まず市内に自転車専用道路を張り巡らし、 駅や商店街の近辺に共用自転車を設置する。すでに自転車専用道路の 一部は完成しているが整備はまだこれからである。

自転車を中心とした街づくりはオランダが有名だ。 特にアムステルダムでは自転車専用道を整備し、貸自転車システムを導入している。 これにより中心街から自動車を締め出し、環境を優先した交通体系が整備されている。

古河市が日本版のアムステルダムになり、先鞭をつけて欲しいものだ。

21世紀は脱クルマ社会を実現しなければならないが、いまだにディーゼルエンジンの トラックやバスは有害な排気ガスを撒き散らしている。 これは犯罪行為ではないだろうか? 我々サイクリストの我慢も既に限界にきているのだが。

●ローバーの歴史

本家イギリスでローバーの専門書が発行された。 1885年製造の元祖ローバーから1996年のランド・ローバーまでを紹介。 著者はベテラン・サイクルクラブのJ.ピンカートン氏とD.ロバーツ氏。

「A HISTORY OF ROVER CYCLES」Copyright 1998 by John Pinkerton and Derek Roberts

「A HISTORY OF ROVER CYCLES」

●ダルマ自転車発見

名古屋の八神氏からの情報によると、明治25年頃の 国産ダルマ型自転車が骨董屋で発見されたとのこと。

詳細については不明だが、久々のビックニュース である。

その写真を見ると完璧な状態であり、フロントの泥除けやそのステー部分に 特徴的な意匠を見ることができる。

都合により写真を掲載できないのが残念である。 

●カタログのコピーサービス

下記のサイトでは、古い自転車カタログのコピーサービス を行っている。

http://www.velo-retro.com/

①カンパ・カタログ #12

Campagnolo Catalog #12 1953 (earliest known catalog) -- 22 pages covering Corsa, Paris-Roubaix, Sport, and Gran Sport derailleurs, the Gran Sport gruppo, tools, etc. Text in Italian with English translation. Color cover. $12.00

②カンパ・カタログ #12~#18

 Catalogo Campagnolo -- 600+ page photocopy of catalogs #12 (1953) thru #18 (1984) plus catalog suppliments. Covers from the first Cambio Corsa and Paris-Roubaix derailleurs to the 1983 Anniversary Group and Super Record Group. Also includes a Campy Timeline to help date vintage racing bikes and all instruction sheets plus a chart to identify all the various bottom bracket spindles. Impress your bike friends with such trivia as the date of introduction of the famous "Rondella Dentata"! Color cover. $70.00

③サンプレックス・カタログ

Simplex Italian Catalog 1950 -- 20 pages covering the following derailleurs: Champion Du Monde, Tour De France 1948, Tour De France 1949, Tour De France Competition 1950, and the Competition front changer. Also covered: Sport and Competition hubs, freewheels, chain and dropouts. Also a picture of the complete "Gruppo Speciale Corsa Simplex" in its box! Catalog pictures Coppi winning 1949 TdF on Simplex, Kubler winning 1950 TdF on Simplex, Schotte winning 1950 Professional Worlds Championship on Simplex, Bevilacqua winning 1950 Italian Professional Championship. Cover is color copy of the famous art-deco Simplex poster! $12.00

④ダニエル・ルボアの世界

The World of Daniel Rebour -- 220 pages of illustrations of Tour de France winning bikes from 1950-1976 including renderings of individual parts grouped by year of manufacture. Also shows the Rene Herse line of bikes and accessories. Color cover. $30.00


2021年11月21日日曜日

自転車関係資料-60

 自転車関係資料-60

下の資料は当時の自転車保険証である。

保險證

1176

一、愛輸號自轉車

車体番號第 2033號

右ハ當工場ノ製作セルモノニシテ真正愛輪號自轉車タル

事ヲ保證ン且ッ左記記載ノ各条項二基キ其品質二対スル

責任ヲ負担スルモノナリ

一、本品ハ當工場二於テ出荷前厳重二検査スルモノナ レ

共檢查ノ不注意二依リ不良品ヲ出荷シタル場合ハ其ノ

責二任ズ

一、本品ノ製作ハ各部分共極メテ厳密ナル監督ノ下ニ製

作セシモノナレ共万一加工上ノ不注意ヨリ生タル

欠陥ハ其ノ責二任ズ

一、荷造不完全及運送中ノ事故二據ル損傷ハ当工場其ノ

責二任ズ

昭和拾壱年壱月拾壱日

東京神田

愛輪自轉車製作所

自転車保険証

全国輪界興信名鑑 昭和12年版
国会図書館所蔵資料 コマ番号62

●愛輪舎 東京市神田区元佐久間町1 大正7年開業
銘柄、愛輪號、ABS號、丸愛號
自転車製作発売元

2021年11月20日土曜日

バックナンバー 99

 バックナンバー 99

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.99

 1998年9月27日作成 日本自転車史研究会

●横浜に自転車文化の拠点
横浜の桜木町に、この程「南関東自転車競技会ビル」 (MKJビル)が完成した。10月1日にはこのビルの3階に「自転車歴史コーナー」 もオープン 予定だ。ここには、ドライジーネをはじめ、ボーンシェーカー、オーディナリー 等の歴史的な自転車が展示される。 横浜に自転車文化の拠点が新たに誕生したことは喜ばしい。
南関東自転車競技会の略歴。
1962年10月、南関東自転車競技会発足。
1965年4月、第10回オールスター競輪(川崎)を実施。
1972年3月、第25回日本選手権競輪(千葉)を実施。
1987年12月、KEIRINグランプリ’87(平塚)を実施。
1988年、10月、競輪発祥40周年記念レース(平塚)を実施。
1998年9月、本部、横浜支部、横浜市西区桜木町に移転。

●FOR SALE
名古屋の八神氏の友人であるアメリカのボブ・ボイド氏 のコレクションが売りに出ている。
同氏のリストによると。
1895年、クレセント、タンデム車。
1893年、ビクター、セーフティー車。
1869年、ボーンシェーカー車、アメリカ製。
1889年、ビクター、オーディナリー車。
1915年、ハドソン、レーサー車。etc。
詳しくは、直接、八神氏に問い合わせを。(ただし当研究会員のみ)

●有名人と自転車
歴史上有名な人物が自転車に乗っている写真 をコレクションすることも楽しみの一つだ。神奈川新聞の9月13日付けには、 宇宙旅行の父と言われるツィオルコフスキーがカルーガの自宅前を自転車に 乗っている写真が掲載された。撮影年は、1930年とある。
他の有名人では、アインシュタインやキュリー夫人の写真が知られる。

ツィオルコフスキーはサイクリングが趣味であった
 
●世界最軽量のコンパクト車
ナショナル自転車工業(株)は、 列車と自転車の共生を実現するための折り畳み自転車「トレンクル」を発売する。 この自転車は世界最軽量をうたい文句に、なんと6、5kgと言う驚異的な軽さを 実現させた。
「トレンクル」の主な特長。
1、フレームにチタン合金を採用。
2、コインロッカーにも収納できるコンパクト設計。
3、電車にそのまま持ち込み可。
愛称、「トレンクル6500」
品番、B-PEHT23
重量、6、5kg
寸法、全長1、175mm、全巾470mm
車輪サイズ、14型
部品、フレーム及びフォーク、チタン、シマノDURA-ACE
価格、176、000円
「トレンクル」シリーズは他に、トレンクル7500、トレンクルサーフが ある。

トレンクル6500・Traincle6500

●ライト兄弟の夢を火星に
NASAは、2003年12月17日に火星の空に 無人飛行機を飛ばす計画を進めていることが、 この程(9月25日)判明した。ライト兄弟の初飛行から丁度100年目にあたる 日を記念して実施される予定。この火星飛行機の名前もキティホークと銘々される。
ライト兄弟は、1899年に自転車を製造をする傍ら、飛行機の研究をはじめた。 その後、試行錯誤を重ね、1903年12月17日 にノースカロライナ州キティホーク で人類初の飛行を成功させた。

ライト兄弟の初飛行
1903年12月17日 にノースカロライナ州キティホーク

2021年11月19日金曜日

国友一貫斎

 国友一貫斎

昨夜、NHKの「コズミック フロント」で「江戸のダ・ヴィンチ 国友一貫斎」を放送。

国友 一貫斎(くにとも いっかんさい 1778年11月21日 -1840年12月26日)は、文政~天保年間に空気銃や望遠鏡を製作。更に飛行機の設計図まで残している。

平賀源内と同様に江戸時代を代表するの科学者であった。

放送の中では、レプリカのダルマ自転車も登場した。このレプリカは国友が明治24年に製作した和製ダルマ自転車を複製したもので、オリジナルは江戸東京博物館に所蔵されている。

「江戸のダ・ヴィンチ 国友一貫斎」は、11月24日(水)午後11:45に再放送予定 。

「明治24卯年四月上旬国友作之」
のダルマ自転車
江戸東京博物館所蔵

2021年11月18日木曜日

バックナンバー 98

 バックナンバー 98

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.98

 1998年8月12日作成 日本自転車史研究会

●ホビー・ホースの本
この程イギリスでホビー・ホースの 本が発行された。著者はロジャー・ストリート氏。頁数は約200ページ。 図版(カラーを含む)もたくさん掲載され、大変参考になる。ホビー・ ホースのみに言及したこのような本は珍しい。P.116 のレディース・ ホビー(1819年)や P.151 のランド・パント(1819年)の挿絵は、 自輪車との関連を想起させてくれる。 また、P.154 のゴンパーズ(1821年)のホビー・ホースは、そのユニークな 駆動方法に感嘆する。 すでにこの時代にラチェット式のハブギヤーが採用されているのである。

「THE PEDESTRIAN HOBBY-HORSE」
by Roger Street


●自転車ものがたり
月刊「たくさんのふしぎ」7月号(第160号)は”自転車 ものがたり”と題し、自転車の発達史を特集。子供向けの本だが、歴史の記述 は正統である。 自転車文化センターやパリの小林恵三氏(自転車史研究家)らが制作に協力している。
 
●「On The Wheel」誌に八神氏登場
クラシック自転車マニア向けのアメリカの雑誌に 名古屋の八神史郎氏が登場。氏が自転車に興味を持った経緯や博物館設立 のことなどを3ページにわたり述べている。
「On The Wheel」Magazine for the Classic Cyclist,No.3

●オークション
イギリスのフィリップスで恒例の自転車関連の オークションが開催される。8月15日(土)午前11時からハンマープライス。
 
●カンパの初期カタログ
イタリアのパーツメーカーであるカンパニョロ社の 初期のカタログはマニアの間でも非常に入手困難になっている。 この程八神商会ではNo.12とNo.13 を復刻(ただし簡易コピー)した。興味のある会員は同商会に問い合わせを。

●看板博物館
福岡県二丈町に昭和30年から40年代にかけて たくさん作られた琺瑯看板を集めた博物館が登場した。

最近でもまだ 田舎の道をサイクリングすると農作業小屋や水車小屋、古い自転車屋の板壁に「丸石自転車」や「マルキン自転車」等の琺瑯看板を目にする。


メヤム自転車の琺瑯看板
シマノ自転車博物館所蔵

2021年11月17日水曜日

錦絵

 錦絵

下の錦絵は歌川芳虎(一猛斎芳虎)の「くるまづくし」明治4年頃の作である。
ローマ字で「KURUMADSUKUSHI」と洒落ている。横浜居留地あたりの外国人を意識した題名と思われる。 

芳虎はこの時期多くの「車尽くし」シリーズを描いている。
この画の中で特に注目したいのが、5輪車のラントン型自転車と海上に浮かぶ「水皿車」である。
「水皿車」とは、それとも皿ではなく別な字であろうか。とりあえず「水皿車」とした。
おそらくこの水皿車は架空の舟と思われる。駆動方式は何となくラントン型を連想させる。船頭一人と乗客は子供を含め4人。船頭は手足を使い舳先の前にある外輪を回転させて推進するようだ。
ことによると、この舟は和製ラントン型自転車を製作した竹内寅次郎が明治3年8月に考案した「自走船」の可能性もある。

「KURUMADSUKUSHI」
一猛斎芳虎 画

ラントン型二人乗り自轉車(5輪車)

「水皿車」


2021年11月16日火曜日

大正初期の写真

 大正初期の写真

下の写真は大正5年の白木綿・染地 卸商 中村順次郎商店(越ケ谷)のもの。

極めて不鮮明だが、自転車が3台それに人物が7人ほど写っている。

自転車の前には微かに自転車スタンドも見える。

「越ケ谷案内」大正5年3月20日発行
国会図書館所蔵資料

2021年11月15日月曜日

バックナンバー85

 会報「自轉車」バックナンバー85

1995年11月15日発行 日本自転車史研究会

その一部を掲載、

ニュースレター(NEWSLETTER)

●阿弥陀骨?
11月5日、放映の「NHK・クイズ日本人の質問」で“阿弥陀骨”とは?をやるらしい。
阿弥陀骨は、明治35年頃の訳語で、スポークのことをさす。だれがこの様に訳したかは、判然としないが「自転車全書」には載っている。おそらくこの著者である松居眞玄あたりが、ホイールを阿弥陀様の光背から連想し、言い出したのだろう。
次に当時使われたスポークの名称を大雑把に調べてみたところ以下のようであった。

「自転車全書」明治35年、阿弥陀骨
「自転車指針」明治35年、車輻、スポークス
「自転車乗用速成術」明治32年、幅(はりがね、ふく)
「輪友」明治35年、スポーク
「自転車」明治34年、スポーク
「自転車術」明治29年、幅(ふく)
「自転車修繕法」明治38年、骨
「最新東京繁盛記」明治36年、阿弥陀骨、スポーク

この様に調べてみると、どうやら一般的に当時使われた名称ではなく、一部の意訳として使われたようである。やはり今日と同じ様に普通にはスポークが用いられた。

●斧氏(大阪)からのレター
最近、古道具市や古書店を回り引札、おもちゃ絵を入手しましたが、その中に芳虎画の馬車づくしの中に、自転車2台を描いたものがありましたので、カラーコピーを送ります。
この自転車の前から見た図は少ないと思いますので。
また、画調彫り方からみて明治初期5~6年までのものと考えられます。

注)確かにラントン型自転車のほとんどは横から見たものが多く、このように前面から描かれているものは珍しい。この会報の表紙がそれです。

「しん版馬車づくし」その一部を拡大
一孟斎芳虎 画 明治5年頃

★矢野氏(伊丹市)からのレター
前号のラレーのレストアの記事と英国の御用達店の記事、興味深く読ませていただきました。
ラレーと言えば、先日家の近くで門のところにラレーのミニサイクル(二つ折りができるタイプ)が止められていたので、じっと見つめてしまいました。
どうやらその家のものではなくお客さんのものだったようで、その後、姿を見ていません。残念ですが。
ミニサイクルと言えばプジョーにも結構凝ったものがありましたね。

●パウアー氏(ドイツ)からのレター
旧東ドイツのベルリン近くの町に二輪車博物館がありましてそこを見学した時のパンフレットのコピーが1枚と、フランクフルトの近くの飲み屋さんに行ったときに、たまたまコースターに自転車の絵が描いてあるのに気付きましたので、それを持って帰りました。
それから、ドイツに1年に一度「切手の日」というのがあって、今年の図柄が、自転車に乗った郵便配達の絵でした。
今度の冬学期にはサバティカル(研究長期休暇)を取りましたので、少し自分の研究に集中できるのではないかと期待していますが、どうなりますか。できるだけ雑用にふりまわされなければよいがと思っております。

2021年11月14日日曜日

バックナンバー 97

 バックナンバー 97

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.97
 1998年5月3日作成 日本自転車史研究会

蘇ったメヤム号
平塚(神奈川県)にある宮川スポーツサイクル店に 昭和37年のメヤム号が展示されている。 この自転車は当時名古屋にあった日帝工業で製造されたもの。 機種は軽快車で、モダンな作りになっている。 細かいパーツにも日帝のマークが入っていて当時の隆盛ぶりを感じさせる。
同店には、この自転車の裏付け資料である当時のカタログ類もそろっている。
今となっては価値ある1台である。
 
自転車オークション
日本ではまだ自転車のオークションは行われて いないが、イギリスやアメリカでは盛んである。 
最近ニューヨーク(4月16日)で行われたオークションでは、アメリカらしくスターやイーグルも 競売にかけられた。中にはジャンクで酷いものも紛れていたが、 ほとんどは適正な価格で落札されたようだ。 
イギリスでは老舗のフィリップスが8月15日(土)に恒例の 自転車とメモラビリアのオークションを予定。
 
自輪車の駆動方式?
VCCのボーンシェカー誌(NO.146)に 自輪車の駆動方式を暗示させるような三輪車の写真が掲載(P.14)されている。
 この写真にはロードスカラー(1892)と言う名前がつけられている。ちょうどボートのスカルで船を 漕ぐ感じだ。自輪車の方は、1本の綱を引く方式である。
形状は異なっているが、 ワイヤーを使っての駆動方式は共通している。
 
最後の将軍と自転車
いまHNKの大河ドラマで「徳川慶喜」 を放映している。この慶喜さん、実は大変な趣味人で、カメラ、猟銃、自転車など 明治に日本に渡来した新しいものを真っ先に取り入れている。 特に自転車は有名で、当時ほとんどの人が見たことがない時期に早々と 乗っている。乗った自転車の種類は、オーディナリー型である。 現在のところ写真が出てきていないので、詳しいことは分からないが、 おそらくアメリカ製のコロンビアであろう。 なぜなら明治19年にアメリカ人のトーマス・スチィーブンスが自転車の 世界一周旅行で、オーディナリーに乗り日本を走っているからだ。 慶喜は東海道を走る彼の姿を見たに違いない。 翌年に自転車を発注した記録(静岡大務新聞、明治20年2月5日付) が残っている。
 
国際自転車歴史会議
第9回を迎える国際会議が、8月19日から21日の3日間 カナダ、オタワの国立科学技術博物館で開催される。この会議の模様は インターネットでも配信される予定。
 
チェコのレプリカ車
東欧では珍しくチェコはアンティーク自転車 の活動が盛んな国である。良質なオーディナリーのレプリカ車も手ごろな価格で 製造販売されている。サイズも40インチから58インチまで取り揃えている。 オリジナルのオーディナリー車の価格が高騰し、手に入りにくくなった昨今、 このレプリカ車を利用するのもよいだろう。
 
ニュー・モールトン発表
イギリスのモールトン博士は、この程 第三世代のモールトン自転車を発表した。 詳しくは関連のサイトを参照。
Dynavec/moulton/moulnews.

ビッカートンは如何
名古屋の八神商会でイギリスの小径車ビッカートンが 売られている。総アルミのユニークな折り畳み車である。価格は1台、75.000 円。

これは、F・W・エバンズのビカートン(Bickerton)
 
自転車と電車に乗れる
運輸省は、地球温暖化の解決策の一環として電車に 自転車の持ち込みができる制度の導入を始めた。この夏から実験に入る。当初は 混雑のない都市部以外の地域を対象に実施する。現在は手荷物扱いで折りたたま なければ持ち込めなかったが、今後はそのままの状態で電車に持ち込むことが できるようになる。

変速機の意外な歴史
この程、自転車の変速機をテーマとした本がフランスで 発行された。
 題名は「DU VELOCIPEDE AU DERAILLEUR MODERNE」。 変速機の意外な歴史的事実を紹介するとともに、 今はなきサンプレックスやユーレー、シクロ等 も登場。その手のマニアやオタクは必携の書と思われる。
 注文先;Association des Amis du Musee d'Art et d'Industrie 2 place Louis Comte 42000-Saint-Etienne

「DU VELOCIPEDE AU DERAILLEUR MODERNE」

2021年11月13日土曜日

富士のコメットR

 富士のコメットR

昨日、時々行く石窯パンの店で懐かしい富士のコメットを見る。

この自転車のオーナーに聞いたところ、フレームのみ購入し、後の部品はすべて自分でアッセンブルして組み上げたとのこと。確かにこの自転車を見ていると随所に趣味人らしい拘りの仕様が見える。正確な製造年は分からないが、既に20年ほどは経ていると思われた。コメットRが何時ごろから発売されたのかは今後機会があれば調べたい。度々このパン屋さんを訪れているようなので、また会えれば更に詳しく訪ねたい。

富士コメットR

フレームは丹下のクロモリ
艶のあるブルックスのサドル

ヘッドマーク

栄輪業のチェーンホイール SAKAE SX

日米商店の沿革(一部)

1899年11月、創業者岡崎久次郎、日米商店と号し京橋区竹河岸にて米国製懐中電灯の輸入販売を始める。 取扱品目は探検電灯、医療電灯、机上電灯、手提用・自転車用電灯、盗難予報機等、売捌所を京橋区南金六町七宇都宮回漕店内および横浜市相生町井桁屋に設置。

1903年、販売の主力を自転車とカメラに、自転車の取扱品目を増やす(ウルフアメリカン、スタンホード、スターリング)スターリング車の特約店を各地に設置。

1904年3月、本店を銀座三丁目九番地に移転、スターリング車の特約店拡大に努める。
11月 東京バイシクル秋季大会でスターリング乗車の久保田選手三回連続優勝。

1906年1月、店主渡英、ラーヂ自転車の直輸入契約締結。
6月、ラーヂ自転車1,500台の顧客向け懸賞売出しを断行。
九州日日新聞主催「九州一周千マイルレース」でスターリング乗車の熊本・吉井選手優勝。
12月、店舗を銀座二丁目一番地に移転、倉庫を三十間堀一丁目に設置。

1928年6月、従来の商標「ラーヂ」を「富士」に改称。

1948年10月、第2回T・Tレース(東京~大阪)に出場。

1951年3月、第1回アジア競技大会(ニューデリー開催)に「冨士レーサー」を使用一千メートルタイムレースで杉原選手優勝。
8月、商号を日米富士自転車株式会社と改称。競輪用タンデムを発売。

1961年5月、「富士ダンディ」発売。

1968年4月、「富士フラッシャーシリーズ」、「富士ジョッキーシリーズ」発売。

1972年、FUJI ブランド輸出開始。

1973年6月、「富士カルダン」発売。

1977年5月、「第1回フジサイクル・グランプリ・ロードレース大会」を開催。


2021年11月12日金曜日

バックナンバー 96

 バックナンバー 96

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.96

 1998年1月20日作成 日本自転車史研究会

中堀氏からのメール
ジープ・サイクルと書いてある資料が手紙と 同封されてくる。この資料の年月は不明。戦前のものだろうか? 名古屋の高橋JS商会が製造発売元となっている。資料によると自転車用強力変速機とあり、どんな坂でも楽々登れる、どんな重荷も軽々運べると書いてある。 当時の定価は3,800円。新品未使用箱入りの現物も中堀氏のところにある。
興味ある会員は事務局へご一報を。
 
珍しいオーディナリーの写真
昨年の暮れ、梶原氏からオーディナリーが写っている 珍し写真をいただく。この写真が撮影された年月は不明だが、 恐らく明治25年前後と思われる。撮影場所は東京、上野の水茶屋。 これは写真左下の注書きに書いてある。日本人と思われる人物 がオーデナリーを左手で支えている。 この人物果たして誰なのか?オーデナリーは、小さく写っているので メーカー名等分からない。

上野の水茶屋
 
アメリカのマイクさんから電子メール
昨年の10月頃からマサチューセッツに住むマイクさんから 毎日のように電子メールが届いている。彼は、ホイールメンのメンバーで 過去に州のキャプテンも経験している。専門はオーディナリーの鑑定で特に コロンビアに詳しい。もちろんレストアも手がける。
1月3日のメールには50インチのコロンビア・エキスパートをレストア 中とある。彼からはたくさんのすばらしい画像も送られてきている。
会員でコロンビアの画像が見たい方は、事務局まで電子メールを。
 
ダビンチの自転車は偽物
レオナルド・ダビンチが自転車を発明したとする説は、1974年頃に発表され反響を呼んだが、その後この説を疑問視するドイツ人の研究家が調査にのりだし、この程それは偽物とする調査結果を明らかにした。
ドイツの自転車史研究家のレッシング氏によると、1960年代にダビンチの手書き原稿を修復したイタリア人のある修道士が、もともと描かれていた二つの円を自転車の車輪に見立て、ペダルやチェーンなどを加筆し、自転車に仕立てたという。 このスケッチが描かれた紙は、16世紀に保存上の必要から二つ折りに糊付けされていた。修道士が加筆する直前に、歴史学者のペドレッチ氏が強い照明を使い透かしてみたところ、当初描かれていたのは二つの円だけだった。このことをレッシング氏が突き止めたのである。
VCCの会報 THE BONESHAKER 誌、冬号№145、頁11に特集記事あり。

国産リヤカーの出現前後
平成9年10月発行の「自転車技術情報」に梶原利夫氏の小論文が掲載されている。
最近見られなくなったリヤカーの歴史を概観。 氏も述べているが、リヤカーの歴史も解明しなければならない多くの研究課題を残している。
 
国際ベテランサイクルラリー
IVCA主催によるラリーの日程。
1999年・・・フランス
2000年・・・アメリカ(ワシントン)
2001年・・・スロバキア
2002年・・・ベルギー
2003年・・・オーストラリア


2021年11月11日木曜日

自転車関係資料-60

 自転車関係資料-60

下の資料は「山口の自転車」の広告チラシ、発行年は不明だが、この文中に「当社は誕生の産声を挙げてよりここに四十有余年を経た」或いは「最高製品・40年の歴史と当社研究所の画期的発明」などとある。山口自転車の創業が1914年(大正3年)と云われているから、+40で1954年(昭和29年)頃のチラシとなる。

早い話スマートレディーの発売が確か1956年であるからその頃と云うことになる。

チラシの表

裏面は世界地図

大正5年発行 日本輪界名鑑
国会図書館所蔵資料

昭和10年発行 全国製造卸商名鑑
国会図書館所蔵資料

スマートレディー
2020年11月7日撮影
現在はシマノ自転車博物館所蔵


山口自転車の沿革

1914年(大正3年)、山口重彦(1894年 - 1965)、東京市墨田区吾嬬町で山口自転車工場を創設。その後、東京市日本橋区小伝馬上町1に移転。

1941年-1945年、戦時中は軍需工場となる。

1953年、オートバイの製造を始める。

1956年、スマートレディー発売、ヒット商品となる。

1961年(昭和36年)7月、東証二部に上場。

1963年(昭和38年)4月、倒産。


山口重彦の経歴

山口 重彦(やまぐち しげひこ、1894年9月30日 - 1965年10月19日

鹿児島県で山口林五郎の長男として生まれる。

東京府立工芸学校(現東京都立工芸高等学校)精密機械科を卒業。

ダット自動車製造(快進社)に技師として入社。

1914年(大正3年)に独立し山口自転車工場を設立し、同社取締役社長に就任。

1953年(昭和28年)4月の第3回通常選挙に全国区から右派社会党公認で出馬し初当選。

1959年(昭和34年)6月の第5回通常選挙、全国区から日本社会党公認で出馬して再選。参議院議員に連続2期在任。

その他、東京自転車工業組合理事、東京市少年職業委員、全国自転車業組合連合会評議員、東京市工業指導所評議員、協調会中小企業講座講師、厚生省労務管理調査委員、日本自転車工業会顧問などを歴任。

長女に、 山口シヅエ(旧名、静江)大正6年10月31日生まれ、日本社会党(衆議院議員)その後、自由民主党へ。

参考資料、議会制度七十年史 1960年発行など。


2021年11月10日水曜日

会報「自転車」バックナンバー86

 会報「自転車」バックナンバー86

1996年1月15日発行 日本自転車史研究会
その一部を掲載、

ニュースレター(NEWSLETTER)
★新年部品交換・売買会
日時:1996年2月3日(土)13時から17時まで
参加料:出店者のみ有料、300円(会場費、当日徴収)その他、無料
場所:文京区本郷3-10-18 文京区湯島総合センター3階
JR御茶ノ水より徒歩8分、蔵前通り、湯島1丁目交差点近く
その他:原則として未使用の部品・用品など。定価を明記して下さい。
駐車場はありません。各自の責任において、違反のないようお願いします。
出店希望者は、八塚(やつづか)までご連絡下さい。
友人、知人お誘い合わせで参加して下さい。
上記の要領で、自転車部品の交換・売買会を開催します。
昨年10月21日にも多摩川で行いましたが、その後多くの方々から、都心でやって欲しいとの希望が寄せられ、試みに関催しようと思います。(八塚)

★石原政雄氏からのレター
前号に書かれていた阿弥陀骨ですがTVで見ました。
清水武甲氏の写真集「秩父浄土」(1976年2月、春秋社)の中に、阿弥陀骨の見本のような写真を見つけましたので、お送りします。参考になれば幸いです。
112及び113は、札所27番、大淵寺の観音像とそのシルエットです。まるで自転車の車輪を背負っているようです。
132は、札所32番、法性寺の渡海観音です。まさにスポーク(阿弥陀骨)そのものです。
他にもあるか、また探してみます。

★クラシックモールトン
昨年の11月22日に八ヶ岳山麓で行われた第2回モールトン・ミーティングでは、クラシック・モールトンが何故か注目を集めていた。
人が持たないものを持ちたいという願望は、誰にでもある。
特にこのような趣味人の世界では、それが際立つ。
最新鋭のものか、希少なクラシックの自転車に目が向けられるのは当然だ。
そして、ますますこの傾向は強くなる。それだけ幅も深みも出てくるのだろう。
モールトンも既に歴史的自転車になったのである。
今年のミーティングには、どのようなクラシック・モールトンが現れるか、今から楽しみで
ある。

★自転車業界戦後50年
自転車文化センターの渋谷次長からの情報によると、インタープレスではこの程「自転車業
界戦後50年」という本を発行したとのこと。
戦後も早50年。この50年は、自転車に限らずあらゆる物事にとって、100年以上を凝縮したような感がある。
特に電子機器の進展には、目を見張るものがある。
半年前に購入したパソコンが既に最近では陳腐化してしまう時代なのだ。

★八神史郎氏からのレター
国際ヴェテラン自転車協会では役員改選があり、会長はBob BALCOMB氏からWalter ULREICH氏へバトンタッチされた。
機関紙として新たに「ジャーナル」(95年12月)が発刊。
編集担当は、英国のRon SANT氏である。今後年6回刊行予定とのこと。
創刊号の内容は、今後のイベント案内、自転車歴史関係書籍の評論、博物館ニュース、
IVCAの近況、イベントのレポート、売買欄など。
本年のIVCAラリーは、ドイツのWiesbadenで5月16日から19日の4日間開催される。
書籍の評論では、フランス在住の小林恵三氏の「ドライジーネからミショー・1817-1870」が紹介され、彼の歴史分析、具体性、立証、記述の正確さが評価されている。
IVCAラリーの目的は、友好融和、諸情報の交換等で、自転車の歴史に関心を持つ凡ての人々との交流の場である。

★世界最初の自動車レース
年の暮れ NHKのBS1チャンネルで「世界初の自動車レース」が再放送された。
確か夏頃に一度見ているが、残念ながらまたしてもビデオに撮るのを忘れてしまった。
100年前の自動車を300キロ(ボルドー、パリ間)も走らせてしまったのには感動した。
1895年6月11日、フランスで行われた世界最初の自動車レースを再現。
参加自動車は、パナール&ルヴァソール、プジョー、ド・デイオンプートンなど。
このレースは、パナールの子孫が企画し時年6月に実施されたもの。
パナール&ルヴァソールは、日本に最初に入った自動車でもある。この辺のことは、齊藤俊彦 著「轍の文化史」(ダイヤモンド社、92年11月発行)を参照されたい。

★八神氏からのレター
私は、自転車及びその関連品を収集し、資料館を設立しようと考えています。自転車さえ付いていれば何でも求めますのでご支援下さい。
もちろん古い実車もお願いします。自転車以外のアイテム(マッチ、たばこ、絵葉書、その他の印刷物)で主として昭和30年代、40年代のものに興味ある方ご連絡下さい。お分けします。

★口之津の資料館
自転車文化センターの渋谷次長からの情報によると、長崎県の口之津町の郷土資料館に古い自転車が保管されているとか。まだ、詳しいことは分かっていないが、あるいは明治期の自転車があるのかもしれない。
近いうちに調査したい。

★芦田コレクション
東京品川の芹田洪太郎氏のコレクションについては、以前から一度見たいと思っていたが、
このほどやっとその機会が訪れた。
芹田ビルのアトリエに彼のコレクションはあった。
まず目についたのは、壁にかけられた山口自転車の大きなボスター。その側には、やはり山口のマークの入った鉄瓶が無造作に置かれていた。
その他、引き札、金文字看板、古いランプ類、絵葉書、山口レポートや宮田ニュース等の戦前の資料類等々。
中でも興味を引いたのは、クリープラントの曲乗り用自転車だ。明治期のものか大正期か、定かではないが、かなり古いことは確かだ。タイヤが無いものの保存状態は良い。
国産の実車では、昭和30年代の実用車が4、5台あった。
外国車では、ルネエルスがレストア中のものを含め7台もあったのには驚かされた。

「自転車と文学・小説にあらわれた自転車」

その四 八塚利秀
竹内文子 短歌集「自転車遊行」(砂子屋書房 刊)
風凪げば自転車こぎて陸橋のゆるく反れるを見てをりしばし
暮れぎはのわが自転車のさびしかり軸かたむけて立てる自転車
懸命に真北へむかふ自転車にぎやばと吹く風雪したがへて
自転車を漕ぎてゆかむかわが額に光あつめし青柳触れむ
風に向き自転車漕ぎてゆくごとくかの世の岸はゆくにやあらむ

 竹内文子さんは、私が図書館で図書目録を引いていたら、『自転車』という題が目にとまり、神田にある詩集の版元へ出かけ、作品をコピーさせて頂いた。 ご本人の年齢は不明だが50~60歳の方か。豊橋市の方である。何処へ行くにも自転車を利用しているのだろうか。次作刊行も予定しているそうだ。

写真集から ー和歌山ー (24)
須賀繁雄
今回の写真は
ふるさとの想い出 写真集 明治大正昭和 松阪 明和
田畑美穂 著、平成元年10月 図書刊行会発行より

 いまの宅配便ができるまで、汽車、電車を利用しての飛脚便は、名古屋、大阪、京都の問屋との取引などにけっこう利用された。また、和歌山街道(現・166号線)沿線の農山村へは、大八車に箱を載せた飛脚屋が昭和初期まで毎日通っており、軒先に小さな旗などの目印を出しておくと寄ってくれて、届け物や買い物を頼むのに便利であった。一服ついでの話も互いの楽しみでもあった。

193 [飛脚屋]大正期

2021年11月9日火曜日

マルテー号

 マルテー号

この自転車、記憶がだいぶ薄れてきたが、確か瀧清商会の「マルテー号」である。

これも浜松にいた昭和56年頃にあるオーナーから譲り受けたもの。現在は手元にない。天理大学附属天理参考館に嫁いたはずである。

購入時の元オーナー(以前、自転車業界の人)との会話な中で「あなたはまだ若いのだからそんな自転車の古いことを調べないで、新しいことにチャレンジしなさい」と云われたことをいまも覚えている。

このマルテー号は名古屋にあった瀧清商会のブランドで、他にエステー号、龍昇号、瀧清号、瀧浪号、清瀧号、確実号、勝戦号、賛成号、マインド号などがある。

「捜査資料」30 自転車の研究によると、 

瀧清商会本店 名古屋市中区広井1-102 瀧昇号、エステー号、スエズ号、瀧清号

「捜査資料」30 自転車の研究 京都市警察本部 科学捜査研究所 昭和30年6月20日発行

以下の記事は会報「自轉車」創刊号 1982年(昭和57年)1月15日発行より

国産実車"マルテー号"実用車、昭和26年ごろのもの。ヘッド部に浜松市自転車鑑札付、前オーナーから1万円で購入領収書あり、あらゆるパーツにTのマークが入っている。チェーンケースが一部腐蝕破損している程度でまだまだ乗れる。

製造元:瀧清商会(いわゆる問屋車)当時名古屋市中村区広井町1丁目102番に店を構えていたが現在は廃業。それぞれのパーツは次の工場で製作された。

フレーム:名古屋・羽田製作所 

サドル:大阪・伸興サドル

ベル: 東京・梅沢製作所

リム:名古屋・新屋リム 

ペタル:名古屋・杉江ペタル 

ドロヨケ:名古屋・丸八工業

ハブ:佐竹製作所 

タイヤ: 東京・昭和ゴム 

チェーンケース: 東京・梅沢製作所 

ギャクランク:名古屋・田中金属

 ラグ堺・堺ラグ

である。

全国輪界興信名鑑 昭和12年版によると、
瀧清自転車製造合資会社 名古屋市西区志摩町五丁目79
代表社員 瀧 清一 開業年月:昭和2年8月3日
瀧昇号 エステー印初発売元

戦前は各種フレーム、リヤカー、荷車なども製作していた。たんなる卸商ではないことが分かる。

マルテー号 瀧清商会

総てオリジナルの状態


全国製造卸商名鑑 昭和10年度版
国会図書館所蔵資料 コマ番号211

全国製造卸商名鑑 昭和10年度版
国会図書館所蔵資料 コマ番号232

全国輪界興信名鑑 昭和12年版
国会図書館所蔵資料 コマ番号241

2021年11月8日月曜日

バックナンバー 95

 バックナンバー 95

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.95

 1997年10月12日作成 日本自転車史研究会

アンティーク自転車関連リスト
カナダのシールズ氏からアンティーク自転車関連(売物)のリストが送られてくる。リストの内容は、実車、パーツ、メモラビリアなど。主なものとして、
コロンビア・オーディナリー(C1886)$2900-
シンガー・エクストラオーディナリー(C1880)$10850-
ハンバー(C1889)$2700-
ローバー(C1888)$4200-など。
 
ペニーファージング倶楽部のニュースレター
オーストラリアのクラシック自転車クラブ(ザ・ペニーファージング・サイクルクラブ・オブ・サウスオーストラリア・インク) のニュースレター誌は、先月号で、100号を発刊した。内容は、各種リポートやイベント案内など。
情報提供:名古屋、八神史郎氏

熟年よ自転車で走ろう!!
業界新聞の「日本輪業通信」(97.9.15発行から)では、 「熟年よ自転車で走ろう!!」と題し、シマノの中村博司氏のサイクリング講座を連載中。この記事は、以前、大阪新聞に連載されたもので、好評につき、この程、同通信でも転載した。 内容は、彼の自己紹介から始まり、熟年サイクリストの魅力や効用、注意点などをアドバイスしている。
 
ニューサイ400号発刊
月刊「ニュー・サイクリング」誌は、97年10月号でちょうど 400号を迎えた。本号は、記念増大号として、ダニエル・ルブールの世界、パターソン画集などを特集。
定価750円。

日本へ最初に来た自動車
10月11日の朝日新聞夕刊に、日本へ最初に渡来した自動車の記事と写真が掲載されている。この写真は、交通史研究家の斉藤俊彦氏の学説
(1898年初渡来説)を裏付ける貴重な資料として、たいへん注目されている。

カナダのシールズ氏からのレター
今年の国際自転車歴史会議は、この会議の発祥の地であるスコットランドのグラスゴーで行われた。来年は、私の国で8月に予定している。是非、日本からも来て欲しい。場所は、オタワにある有名な自転車会社で、ちょうどこの会社の100周年記念でもある。会議の模様は、インターネットでも案内するつもりだ。
 
国際自転車歴史会議
国際自転車歴史会議については、前号で「来年当たり日本で開催か?」と紹介したが、どうやら2000年開催ということで決まりそうである。
前にも書いたが、インターネットを使い電子会議による開催を再度提案したい。
国際自転車歴史会議が既に開催された国は、次のとおり。

1997--グラスゴー,スコットランド
1996 --バッファロー,USA
1995 --ヨハネスブルグ,南アフリカ
1994 --ケンブリッジ,イングランド
1993 --ボストン,USA
1992 --ネッカースラム,ドイツ
1991 --サンテ・エチェンヌ,フランス
1990--グラスゴー,スコットランド 

各種イベント案内

第4回アレックス・モールトン、オーナーズ・ミーティーング
日時  11月23日(日曜日)10:00~16:00(9:00より受付)
場所  簡易保険保養センター(かんぽの宿)浜名湖三ヶ日及び周辺
内容  各種報告会、昼食会及び走行会(タイムトライアルも企画中です)
参加費  \5,000(記念品、昼食等含む)
参加申込  平成9年10月20日までに申込フォームに必要事項を記入の上、事務局まで 。
 
第4回アレックス・モールトン・オーナーズ・ミーティーング           
【参加申込フォーム】  
氏名:   ---------------------------------------------------   
住所:   ---------------------------------------------------   
電話番号:   -----------------------------------------------  
FAX番号:   -----------------------------------------------  
E-mail:   -------------------------------------------------   
所有車種:   ----------------------------------------------   
その他ご意見、ご希望:   ----------------------------------  
以上は、パソコン通信のTCNから転載。 

その他のイベント:
●「 POLY - JAPON ’97」
10月18日、19日 リゾートハウス・クラーレット
(穂高町牧2354-1)
スワップミート、コンクールデレガンス他。
ポリージャポン実行委員会主催。
 
●自転車フリーマーケット
11月16日(日)12時から15時まで。
開催場所:東京、赤坂の自転車文化センター。
詳しくは「ニューサイ誌」10月号61頁を参照。
 
●第28回全国クラブラリー・結城
11月2日から3日まで。開催地:茨城県結城市。
詳しくは、今年の幹事クラブである荒川サイクリングクラブへ。


2021年11月7日日曜日

自転車関係資料-59

 自転車関係資料-59

この資料の年代ははっきりしない。おそらく昭和10年代と思われる。

締切迫る ナショナル軍用ランプ・乾電池 50㎞走破大売出し
松下乾電池株式会社など

とある。

広告チラシ


松下乾電池株式会社の沿革(創業から戦前まで)

1918年(大正7年)松下幸之助「松下電気器具製作所」を創設

1922年(大正11年)本店・工場を建設

1923年(大正12年)砲弾型電池式ランプを考案し発売 

1927年(昭和2年)ナショナル商標を初めて採用した角型ランプ発売

1931年(昭和6年)小森乾電池の工場を譲り受け、乾電池自社生産を開始、懐中電灯(探見電灯ケース)発売

1932年(昭和7年)岡田乾電池の工場を譲り受け、松下電器辻堂工場開設、第10工場竣工(門真乾電池工場)発電ランプ発売

1933年(昭和8年)第11工場竣工(現在の守口本社工場)

1937年(昭和12年)蓄電池辻堂新工場竣工、カーバッテリー発売

1939年(昭和14年)電極工場竣、松下電器初の海外生産拠点、上海工場開設

1940年(昭和15年)空気乾電池発売

1941年(昭和16年)炭素接地棒発売

1942年(昭和17年)空気湿電池発売、名古屋工場開設

1943年(昭和18年)九州工場開設

1945年(昭和20年)積層乾電池発売、灯器製造所発足

参考、同社事業の歴史より


2021年11月6日土曜日

バックナンバー 94

 バックナンバー 94

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.94
 1997年8月3日作成 日本自転車史研究会

”自転車ハシル”企画展
8月1日から9月15日まで、龍ケ崎市歴史民俗資料館で 「自転車ハシル ー働く自転車の歴史」展を開催。 
 現在ではほとんど見かけなくなった”働く自転車”を中心に、自転車が社会や人々に果たしてきた役割と、その発明の変遷を紹介。
龍ケ崎市歴史民俗資料館の所在地
茨城県龍ケ崎市馴馬町2488

クイズとらの巻

NHKの夏期特集番組として「クイズとらの巻」が、来る 8月5日(火)午後9時30分から放送される。 

今回のテーマは自転車。自転車の機能や自転車の歴史などについて広範囲に出題され、解答者が事前に準備した「とらの巻」を参考にしながら、クイズに答えるという内容。

キャンベラ自転車博物館
同博物館発行のニュースレター誌(№25、97年7月号) に世界の主なアンティーク自転車関連のクラブ・団体が出ている。日本では、名古屋のサイクル・ギャラリー・ヤガミが紹介されている。また、最近ホームページも開設(Canberra Bicycle Museum)

世界の自転車博物館
名古屋の八神氏は、以前から世界の自転車博物館を調査している。現在、公・私設のものを含め50件近くをリストアップ。

Bicycle Museum

France
Conservatoire National, Taris
Musee de la voiture, Compiegne
Moulin de la Petite Reine, Maule
Munsee du Velocipede (Busiest), Near Paris

United Kingdom
Museum of British Road Transport, Coventry
Royal Scottish Museum, Edinburgh
Science Museum, Near Hyde Park London
South Kensington Science Museum, London
Mark Hall Cycle Museum, Harlow Essex
National Cycle Museum, North Lincoln
British Cycling Museum, Camelford Cornwall
Tolson Memorial Museum, West York’s
History & Industrial Museum, Trad ford West York’s
Abbot Hall Museum etc. 85 Museums (他多数)

Germany
Deutsch’s Technik museum
Verkehrsmuseum Dresden
Deutsch’s Museum, München
Nowak - Renner, Mongstad 243 hit.
Walter Euhus, Museum

Holland
Velorama Nijmegen

Schweiz
Verkehrshaus der Schweiz, Luzern
Sportmuseum Schweiz, Basel Technisch

Austria
Technische Museum Wien

Belgium
Falmignoul Museum

Czechoslovakia
Národní technické muzeum, Praha

Canada
Reynolds Museum, Alberta

United States East
Smithsonian Museum, Washington.
Burgwardt Bicycle Museum, NY
David Metz, NJ
Tom Green, NJ
Harris Gallery, NY 198705
Norman Batho, NJ

Mid-West
Ford Museum, Detroit
Don Adams, Detroit
Paul Grimshaw, Michigan
Gary Woodward, Michigan
Selvin Bicycle Centre, Chicago
Carl Weidman, Detroit
Museum of Science Industry, Chicago

United States Central
Tempe Arizona, Bud Morrison, Arizona
Old Pueblo Museum at Foothill Center, 

West
Tucson, Arizona
Howie Cohen, Denver
Nolan Bay, CA(52台)
Karl Edward, Sacrament, CA
Ted Davis, CA

S. Yagami  6/23/1992

尚、世界の自転車博物館については、こちらのサイトが参考になる。→ Sterba-bike

雑誌「蘇る!」
経済界発行の雑誌「蘇る!」(7月号)に「青春博物館」 というタイトルで、昭和20年前後の自転車事情を特集。
初期の富士覇王号や三菱十字号、補助エンジン付きのBSモーターなどが登場する。中高年には、懐かしい内容だ。

レストアしませんか?
リアキャリアー一体型の超重量級運搬車、新湊から出たので 魚屋さん用か?BBは、三日月ピンでとめるタイプです。その他、光風自転車のケンコー号、KSというロードレーサーのようです。ラグレス、前後メッキですが、シートピラー径は26,7で、パイプをはじいた時の音から、海野D×Dではないかと思われます。サイズは530㎜、21インチです。どなたかこれら自転車のレストア にチャレンジしませんか?
広島、中堀氏からのレター

エルスのTシャツ
アメリカ製のTシャツ入荷。胸のロゴは、ルネエルス、 JOS、サンプレックス、ユーレー、TA。各1枚3000円。 (YAGAMI,CO)

国際自転車歴史会議
毎年各国持ち回りで行われている国際自転車歴史会議 も今年で第8回目を迎えた。そろそろ来年当たり日本で開催という声も上がっているとか。但し、受け皿となる組織がはっきりしない。自転車文化センターかシマノ開発センターが引き受けてくれると良いのだが。それともインターネットを使い電子会議としたらどうか?これならわざわざ特定の国に集まらなくてもよいし、費用も余りかからない。目的は果たせると思うのだが。でも味気ないか。

各種イベント案内
●「 POLY - JAPON ’97」
10月18日、19日 リゾートハウス・クラーレット(穂高町牧2354-1)
スワップミート、コンクールデレガンス他。
ポリージャポン実行委員会主催。

●「ニュー・サイクリング誌400号記念の集い」
9月28日(日)午前10時から午後1時。文京シビックセンター・26Fスカイホール。詳細については、当該誌の7月号を参照。

●第28回全国クラブラリー・結城
11月2日から3日まで。開催地:茨城県結城市。詳しくは、今年の幹事クラブである荒川サイクリングクラブへ。

2021年11月5日金曜日

あるサイクリストのメモ

 あるサイクリストのメモ

1969年5月19日(月)曇り時々晴 16時現在の気温24.4度

自転車で丹沢の大山へ。

午前10時ごろ茅ケ崎の自宅を出発。寒川の三菱キャタピラー工場を通過。神川橋から相模川を渡る。平塚から厚木に向かう道路を北上する。小田原・厚木線を越える。伊勢原の向上幼稚園を通過。大山街道と日向薬師道の分岐点に到着。スルガ銀行文書センターを通過して、鈴川(大山川)に沿って登って行く。追分で自転車を降り、男坂経由で登山道を登る。阿夫利神社下社で1時間ほど休憩(12時~13時)。冷たい湧水をたらふく飲む。疲れたので頂上行きは諦める。次回の機会に挑戦することにする。女坂を下降開始。ウグイスの鳴き声が聞こえてくる。大山寺の不動尊に寄る。記念に青いイロハモミジの葉を1枚拾う。一夜にして弘法大師が爪で彫ったと伝えられる石仏を見る(爪剪り地蔵)。追分到着。自転車に跨り大山街道を下る。帰路は楽であった。あっという間に伊勢原に到着。途中、太田道灌菩提寺に寄る。高部屋神社を過ぎ、「よろずや」と云う食堂で遅い昼食をとる。排気ガスの道路を避けながらなるべく脇道や旧道を通って帰る。自宅着16時であった。

大山寺で拾ったモミジの葉

註、この日に乗った自転車は今となっては忘れたが、たぶん宮田の実用車タイプの軽快車である。

この日のニュース、
アポロ10号打ち上げ。
搭乗員
船長トーマス・スタッフォード (Thomas P. Stafford)
司令船操縦士 ジョン・ヤング (John Young)
月着陸船操縦士 ユージン・サーナン (Eugene Cernan)

アポロ10号
当時の新聞 スクラップブックより

2021年11月4日木曜日

昭和初期の写真

 昭和初期の写真

この写真は、榊原温泉在住のMさんから以前送っていただいたもの。

三重県にある榊原温泉の歴史は古く平安時代まで遡ると云われている。
江戸時代に入るとお伊勢参りに来る客も多くなり、大いに栄えた温泉の一つ。

この「保寿園」は明治27年に旅館として建てられた。
大正期に入ると客も減り、その後は下宿に使われたそうである。

写真をよく見ると、榊原温泉・保寿園と書いた看板が見える。庭には3台の自転車が置かれている。荷台や両足スタンドも付いている。奥の自転車の後ろ泥除けには鑑札も微かに見える。

榊原温泉・保寿園

2021年11月3日水曜日

昭和20年代の自転車

 昭和20年代の自転車

下の写真の自転車は昭和56年頃に浜松の小栗自転車店で組んでもらったもの。

小栗自転車店については、このブログでも度々紹介している。

最近、写真を整理していたらこの1枚が出てきた。

以前のブログで「スチール製十字号」について次のように述べた。

・・・これがきっかけで小栗さんと親しくなり、中古車だが2台この店で購入した。1台は昭和22年のジュラルミン製岡本ノーリツ号で、これは天井から下がっていたフレームに適当な部品を組み合わせ作っていただいた。もう1台はこれも昭和20年代のフレームで、形状は十字号のような形であった。

と書いたがここで訂正したい。この写真の自転車を含め全部で3台の中古車を購入していた。

この自転車の特徴としてはトップチューブの前下がりである。ことによるとこのフレームは昭和20年代ではなく戦前の可能性も否定できない。残念ながらフレームにはマークもメーカー名も何もない。前下がりのフレームが流行った時代を今後調べてみたい。あるいはトラック・レーサーのフレームの可能性もある。(実用車風に組んでもらったが)

なおこの写真をよく見ると後ろ左後方にはラレー・ロードスターと更に奥には自転車オートバイ(富士精密工業BSモーター41型、1956年)も見える。

前下がりのフレーム自転車

2021年11月2日火曜日

大正期の写真

 大正期の写真

下の写真は大正6年の東京遷都50年祭の絵葉書。

京橋の奉祝門、この写真に見える乗り物は市電と自転車。

自転車は不鮮明だが、荷台が付いているのが分かる。大正初期には荷台も両足スタンドも付いていない。大正5年以降になると荷台や両足スタンドの付いた自転車も徐々に多くなる。

東京遷都50年祭の絵葉書 大正6年

2021年11月1日月曜日

バックナンバー 93

 バックナンバー 93

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.93
 1997年6月27日作成 日本自転車史研究会

オークションのwebサイト
自転車のオークションのページをweb上で発見。オーディナリーや宮武外骨が乗ったシンガー三輪車等が競売に出ている。八神氏からの情報。
(最近では、eBay、ヤフオク、モバオクなど)

以下の写真は、(元の記事にはこの写真は無い)
Sotheby's
MOTORCYCLES AND BICYCLES
INCLUDING THE COLLECTION OF
CHARLES STAHL
SATURDAY, SEPTEMBER 15, 2001
CHICAGO より。

表紙

1866年頃のアメリカ製のボーンシェイカー
 
フィールドバイカーズで自転車博物館紹介
フィールドバイカーズの6月号に日本の自転車博物館として、自転車文化センター等が紹介されている。 
東京の自転車文化センター・・・近いうちにホームページも公開予定。
名古屋のサイクル・ギャラリー・ヤガミ・・・個人的なコレクションとしては、国内最大。
大阪のシマノ・サイクル開発センター・・・シマノの企業力を文化事業に。
 
アンティーク自転車の For Sale
ベーリートーマス(c.1883)、52インチ・オーディナリー・・・3150ドル
シンガー(c.1885)、54インチ・オーディナリー・・・4150ドル
ラッジ(c.1887)、53インチ・オーディナリー・・・4700ドル
コロンビア・エキスパート(c.1885)、56インチ・オーディナリー・・・5500ドル
etc. 
情報提供:八神史郎氏
 
オーディナリーのレプリカ
現在オーディナリーのレプリカを製作するところは、アメリカのKennedy,Witney、Polodna、オーストラリアのEdlee、チェコの Mesicek などが知られている。残念ながら日本にはいまのところ無い。
また、これらの製作所ではレストアも請負ってくれる。
 
サイクル・アクセス・ブック
(財)日本自転車普及協会では、近く「サイクル・アクセス・ブック」を刊行予定。本文には、自転車技術の変遷なども記述される。
Cycle Access Book : サイクルアクセスブック
ジェイワン・クリエイト 編集 自転車文化センタ-出版 1997年9月
 
最近の古書目録より
「六大都市製造卸商名鑑」日本輪界新聞社、昭和2年発行。3万円。
「組合員名簿」茨城県自転車業組合、大正12年。1万5千円。
「アサヒ月報」大阪アサヒ商会、大正8年。8千円。
「自転車の科学」野添 域、昭和19年。4千5百円。
など。
 
明治村だより
愛知県犬山の明治村で発行されている「明治村だより」(第7号、平成9年 4月18日発行)に、斉藤俊彦氏の小論文が出ている。
タイトルは「自転車の名付け親寅次郎」。各種裏付け資料をもとに、この寅次郎が「自転車」の命名者であることを分かりやすく解説している。
 
戦前期における自転車工業の発展と技術吸収
「社会経済史学」(第62巻第5号、96年12月、97年1月)に、関 権氏の学術論文がでている。
「先進国から導入された技術のすべてが導入国で短期間に消化、吸収されるとは限らない。・・・特定のプロセス及び条件が介在すると思われる」とし、この問題について自転車工業を事例として考察している。
 
東亜サイクル通信、70年史
自転車業界新聞の「東亜サイクル通信」は、大正12年に「輪界商工新聞」として創刊され、その後「東亜サイクル通信」と改名されたが、以来70年の歴史がある。
同通信の第2960号、平成9年3月31日付で昭和・平成の輪界史70年を特集。
 
「魔風恋風」の初野と東吾
日本経済新聞(97、4、16付)に例の女学生が自転車に乗る挿し絵が載っている。
この新聞記事では「魔風恋風」に登場する初野と東吾の恋愛関係を当時の世間一般の恋愛に対する無理解と若い二人の苦悩について述べている。

各種イベント案内

●「SPOKES」ミーティングミーティング7月21日(月)午前11時30分に千葉県成田市、成田山公園三ノ池、浮御堂の付近に集合。フリーサイクリングと昼食でのミーティング。 

●「 POLY - JAPON ’97」
10月18日、19日 リゾートハウス・クラーレット(穂高町牧2354-1)
スワップミート、コンクールデレガンス他。
ポリージャポン実行委員会主催。
 
●「ニュー・サイクリング誌400号記念の集い」
9月28日(日)午前10時から午後1時。文京シビックセンター・26Fスカイホール。詳細については、当該誌の7月号を参照。