自轉車瓦版 №5
「自轉車瓦版」第5号
昭和60年4月11日発行
☆瓦版の2号で紹介した羽田のある倉庫にあったという木製自転車の件は、その後調べたところ自転車メーカーである新家工業のものということが分った。なんでも20年ぐらい前にそこに勤めていた人が見たとのことである。
☆“錦絵幕末明治の歴史”(NO.5 明治の新政、講談社 昭52.6. 25発行)には、いろいろな錦絵が掲載されているが、その中で「東京高輪風凉図)という画がある。ひげをはやした西洋人風の男が「 一人車」という自転車に乗っている。この自転車はかなり大きく描かれ、 前輪のペダルクランクで走るようすが分かる。しかし、ミショー型とはすこし違った形になっており、フレームの形状にも不自然さがみえる。この本には他に、三輪車などの画がある。
☆“横浜鉄橋之図”という五雲亭貞秀画(明治3年)の錦絵に出て来る三輪車は、例の“横浜開港見聞誌”の三輪車と同じもののようだ。 やはり前輪に巻いた組ひもを引っぱっているように見える。作者が同じ五雲亭だから当然かもしれない。貴婦人が乗っているところも同じだ。