2021年9月21日火曜日

自転車関係資料-54

 自転車関係資料-54

中村春吉の自転車無銭世界旅行ではないが、やはり貧乏旅行に近い。

決行したのは小樽市の奥山瑛明・おくやま てるあき(23)さん

1日2ドル世界一周

昭和42年6月16日発行「アサヒクラフ」通巻2258号 16頁~21頁

以下に本文の一部を抜粋

世界一周サイクリング旅行を企てた。その計画とは、アメリカ、ヨーロッパ大陸を自転車で横断して、ギリシャから船で東南アジアを回ってこようというものである。大学の三年間、トレーニングで明け、アルバイトで暮れ、英会話に精を出した。機は熟せり…いざ実行という段になり、はじめてアメリカ人の先生にこの計画を話すと、文字通り飛上がって驚いた。「アメリカ大陸を甘くみてはいけない、人家一軒ない広大な砂漠もある。自動車だって大変なのに、自転車で横断とはクレージーだ。あえて決行するなら、即ち自殺である……」と。さらに自転車通行禁止のハイウェー、山猫、熊、ガラガラ蛇の襲来など、不利な条件ばかりを述べ計画中止をすすめる。
そんな話を聞き、一時は意気消沈、計画断念まで考えたが、しかし、三年間見続けた夢は、なかなか消えない。「青春は二度ない、かつてどこかの男がヨットで太平洋を渡っているではないか、まして俺は陸の上……」と自ら励まして、ついに一九六六年三月二日、横浜港から、やっとこさ「日本脱出」に成功したのである。この時、ロサンゼルスまでの船の切符を買って、フトコロに残ったのは、わずか九万数千数十円也だった。

旅行コース( )は年月日
横浜('66/3/2)→ホノルル(3/10)→ロサンゼルス(3/17) →サンフランシスコ(7/20) ポートランド (7/29)ソルトレーク(8/20) → デンバー(9/3)→セントルイス(10/10) シカゴ (10/15) →デトロイト(10/31) トロント(カナダ)(10/10) バッファロー (11/7) → ニューヨーク (11/16) →飛行機。
マドリード (1/16)→グラナダ (1/22) → マルセーユ →モナコ(2/10)→サンレモ(2/11) → ピサ (2/12) →ローマ(2/13) マルセーユ (2/21) →ボンベイ (3/15) → コロンボ (3/19) →シンガポール(3/12) →バンコク(3/15) →香港(3/22)→横浜 ('67/3/29)


この写真のキャプション、
オレゴン州でキャンプ用トレーラーをバックに記念撮影
親善用に前輪の両サイドにつけた日の丸と星条旗がよく人目をひき昼飯をごちそうになった右手の時計型コンパス魔法ビンは便利だった。