2021年7月11日日曜日

第11回琵琶湖一周ロードレース

 第11回琵琶湖一周ロードレース

昨日と同様また大沢鉄男選手が載っている雑誌の記事である。

この雑誌は1961年の月刊雑誌「サイクル」第9巻第6号 昭和36年6月1日発行。

このレースは高松宮杯 第11回琵琶湖一周ロードレースで1961年5月3日に琵琶湖で開催された。コースは全行程170キロ、参加選手は160名。
この大会は第31回日本アマチュア・ロード選手権も兼ねたレースであった。

結果、団体、個人とも大宮政志選手が大いに活躍したレースとなった。(順位は下のResultを参照)

大沢選手が大宮選手に抜かれる場面は、(本文より抜粋)

堅田町を過ぎ、あと10キロのサインを見送って、約2キロ走った。
そこに、大沢をおとし入れたパンクの事件が待ち受けていようとは、恐らく彼自身でも予測しなかったことだろう。そこは鋪装された道路であり、そこにあったたまたま小さな石のとがった粒が彼を車から引きずりおろしてしまった。
大沢は口惜しがつた。そして何回も声を出した。見る見るうちに大宮、吉田は遠ざかっていった。
大沢は、第10回の国体が札幌で開かれたとき、ロードレースで優勝してレース界にデビューしたが、恐らくこのパンク事件が起る前まで、今度こそ自分にも優勝できるチャンスがめぐってきたとひそかに考えていたかもしれない。それほど最近の大沢は、ロードレースではどうも成績が悪かった。
しかしそれにしても残念だったであろう。
大沢がいなくなれば、あとは吉田一人であるから、大宮は相当これで救われた。追跡の手が一つ減ったからである。しかし、相手が吉田とはいえ、もう勝ったも同然と決して安心できる相手ではなかった。トラックレースで最近めきめきスプリントの威力を発揮して腕をあげている吉田であり、現にインカレのスプリントチャンピオンであるのだから、きわどいせり合いになつたら全くわからない。・・・・大宮の勝利きまる


またしても不運にもこのレースでもパンクに見舞われる。1956年のメルボルン・オリンピック大会での個人ロードレースに於ける落車途中棄権はサポート体制の不備とはいえやはり不運であった。レースの勝ち負けも実力+運という数式が成り立つことは間違いない。

Result
団体成績
1 日大A(大宮、赤松) 10.02'34"
2 鳥取(伊藤、伊藤) 10.19'30"
3 大阪B(清水、黒木) 10.25'47"
4 中央A(土屋、鈴木) 10.29'42"
5 早大B(渡辺、保科) 10.29'02"
6 東京 (山本、大内) 10.31'10"
7 法大A(石橋、竹井) 10.37'59"
8 立大A(佐々木、上原) 10.40'37"
9 中央B(寺田、近藤) 10.44'16"
10 兵庫(門野、佐藤) 10.43'11"

個人成績
1 大宮政志 (日大A) 4.54'30"
2 吉田義昭(愛知B) 4.54'30"
3 大沢鉄男(東京) 4.57'38"
4 斉藤勝也(愛知A) 5.08'00"
5 土屋公安 (中央A) 5.08'01"
6 赤松俊郎(日大A) 5.08'04"
7 伊藤 聖(鳥取A) 5.09'00"
8 堀 昭夫(岐阜A) 5.09'00"
9 石橋巧守(法大A) 5.09'10"
10 若林節夫(岡山 A) 5.09'11"
11 仁木栄寺(宮城) 5.10'00"
12 清水 勇 (大阪B) 5.10'21"
13 伊藤勝正(鳥取A) 5.10'30"
14 門野忠雄(兵庫) 5.11'00"
15 渡辺五男(早大B) 5.12'11"
16 佐々木弘志(立大A) 5.15'25"
17 黒木良治(大阪B) 5.15'26"
18 井関康正(立大B) 5.15'27"
19 寺田正須 (中央B) 5.15'28"
20 髙井一郎(大阪A) 5.15'29"
21 山本晃義 (東京) 5.15'30"
22 大内広司 (東京) 5.15'40"
23 佐藤栄 (日大A) 5.16'10"
24 保科義和(早大B) 5.16'51"
25 山口博司(早大A) 5.16'52"
26 鈴木征雄(中央A) 5.21'41"
27 一戸寿昭(日大) 5.21'53"
28 伊藤成之(鳥取A) 5.21'54"
29 吉川義仁(福井) 5.21'59"
30 上原 修(立大A) 5.25'12 "

大沢と大宮(右)

琵琶湖一周ロードレース
全行程170キロ

46、47頁

表紙
「サイクル」第9巻第6号 昭和36年6月1日発行