昭和初期の写真③
また下の写真は北海道・樺太輪界興信銘鑑(昭和10年度版)の広告にあった写真を切り取ったものである。
軒上の看板に大書された「岩崎自轉車本店」が目を引く。
①子供を含め人物は9人、自転車はずらりと20台以上並ぶ、店に在庫する全部の自転車を並べた様な景観である。一番左にあるのは自動自転車であろうか、不鮮明で良く分からないがタイヤが太い。左端の幟には「東京 山口の自轉車 特約店」などと書いてある。
看板にあるアトラス号はどこの銘柄か、確か丸石商会にそのような銘柄があったような気もするが。
②は全体のページである。
2ページにわたって広告を出している。手広く商いをしていたことが分かる。それとも同じ岩崎商会だが別の商店なのか、並べて載せているところをみると何らかの関係があると推量する。
右ページには、プレス號、マルワイ號、マルワイ経済車、販売山口自轉車工場、帝国自轉車株式会社、川澄自轉車製作、安達商会 代理店
などとある。(左の広告は省略)
③④は現在の様子、
㈲岩崎商会本店 北海道檜山郡江差町姥神町
をGoogleストリートビューで散歩してみると、この界隈の雰囲気は当時の文化が残されているような街並みが続く、江戸時代はニシンの漁港として、また北前船の交易港で繁栄を極めた土地柄らで、いまもその風情が漂っている。
③を見ると一見、自転車店の風ではないが、なんとなく旧店舗の面影を感じる。軒上に大きな看板を掲げれば同じに見える気もする。店内には自転車も微かに見えている。確かに現在も営業を続けている。また道路の反対側には④自転車の資料館か博物館のような倉風の建物もある。よく見ると2階の窓の内にはダルマ自転車のようなものがある。1階も室内に自転車が多数置いてあることがわかる。この建物の左隣は江差郵便局で、この界隈は江差町の中心街であることが分かる。