2021年7月10日土曜日

6日間レース

 6日間レース

昨日、知人から大沢選手の写真と記事が届いた。

私が大沢選手の写真が欲しいと言って、お願いしたところ早速に下の写真が届いたのである。

写真は大沢哲男選手と斎藤勝也選手で、1959年にサンパウロで行われた6日間レース(3月1日~7日)に出場し、1959年3月18日に帰国し、その直後「サイクル」誌の取材に応じて競技のことや完成した屋内競技場(イビラプエラ体育館、Ginásio do Ibirapuera)などの様子を語っている。

概略は、サンパウロ市に完成した屋内競技場の落成記念にこの二人がブラジル政府から招待され、6日間レースに出場したのである。

おそらく日本人選手でこの競技に初めてし出場したのはこの二人ではないかと思われる。この辺の事は今後調査したいと考えている。

この6日間レースであるが、一般的にはシーズンオフの冬場に開催される。あまり日本では馴染みの薄い競技であるが、欧米では人気競技の一つであった。以前(1970年代)、イギリスの週刊誌である「サイクリング」誌を購読していた時に、時々この6日間レースの記事を目にしている。最近では人気のほどが分からないが以前よりは下火になったと聞いている。1960年代から1970年代にかけては特にグレイム・ギルモア(Graeme Gilmore )選手が活躍していたし、確か当時のスーパースターであるエディ・メルクス(Eddy Merckx)もこの6日間レースに出ていたと記憶している。

6日間レースの発祥の地はロンドンのイズリントンで1878年の1000マイルレースから始まったといわれている。当時の自転車好きの観客は、飽きるほど見られるこのレースが楽しみであり、飲食をしながら観戦をしたのである。独楽鼠のように何周もトラックを疾走する選手は花形であったはずである。

左、大沢鉄男選手と斎藤勝也選手
雑誌「サイクル」1959年4月号 41頁
写真提供:渋谷良二氏