老舗さんぽ㊶
昨日、知人からMessengerで電話があり、その会話の中で北海道の江差、岩内などの話になった。そして、昭和30年代に活躍した大沢鉄男選手(1936年11月14日生まれ)のことも話題になった。私は正直あまり大沢選手に付いては名前ぐらいで詳しい来歴などはさっぱりわからなかった。知人のS氏によると大沢選手は北海道の岩内町出身で、当時地元や道内でのレースで活躍し徐々に有力な自転車競技選手としての頭角を現してきたという。
その来歴を少し見ると、1956年、メルボルン・オリンピック大会に出場。
監督:北沢 清
大沢鉄男(自営業)
男子1000mタイムトライアル:12位(1分12秒03)
男子187.73km個人ロードレース:途中棄権
(その後、片倉自転車工業に入社)
1958年、東京アジア大会に出場。
1000mタイムトライアル優勝(1分14秒8)
1960年、ローマ・オリンピック大会に出場。
監督:林譲四郎
大宮政志(日立)
男子175.38km個人ロード・レース:途中失格
大沢鉄男(片倉自転車)男子1000mタイム・トライアル:19位(1分11秒86)
男子4000m団体追抜競走:10位(4分53秒87)
大沢鉄男・久保村寛(前橋商)・斎藤勝也(中京大)・高貫亘弘(法大)
日本を代表する一流選手であったことが分かる。
そのようなことで、今回は岩内の自転車店の老舗を尋ねることにした。尋ねるといってもいつものGoogleストリートビューよる散歩である。
昭和12年版の全国輪界興信名鑑によると、岩内では12軒の自転車店があったことが分かる。
岩内町
●河野商会 TSマーク 代表 河野 隆幸 岩内町大浜17-7
●菅原商会 TSマーク 代表 菅原 繁弥 岩内町字大浜3-20
●佐藤自転車商会 TSマーク 代表 佐藤 赳夫 岩内町栄4-3
●石見サイクル TSマーク 代表 石見 正博 岩内町字御崎2-20
このうちどうやら佐藤自転車店が今でも続いているようであるが、ただ佐藤という名前は全国的に多いので必ずしも同じ店であるか確証はない。当時の住所はその後の町名変更でかわっているからなおさらである。
昭和18年2月1日 町内字名改正。(岩内町公式HP)
「旧字名」 稲穂崎町、三島町、堀江町、吹上町、橘町、御鉾内町、鷹台町
「新字名」 御崎、大和、清住、万代、大浜、高台、栄、東山、相生、宮園
昭和12年では、岩内町鷹台畑四 佐藤賢治 となっている。
北海道自転車軽自動車商業協同組合名簿の佐藤自転車商会は、 岩内町栄4-3 である。
昭和11年生まれの大沢選手が岩内町にどのくらい居たのか分からないが、少なくとも昭和31年のメルボルン・オリンピック大会前の20年間の内には居たはずで、岩内町鷹台畑四の佐藤自転車店にも足を運んだと推量できる。行かないまでも何度もその店の前を自転車で通ったはずであることは間違いない。