この封書の年代は明治の後期と思われるが、正確には分からない。
この資料から年代を絞ってみると、
まず便箋である、便箋の外枠右側に明治 年 月 日の印刷がしてある。
佐田屋の住所地を見ると豊後国西国東郡玉津町とあり、明治40年(1907年)の町村合併前であることが分かる。この年の4月1日に高田町・玉津町・来縄村・美和村が合併して高田町になる。これらのことから明治30年代の後期と推定される。
佐田屋について調べてみると、どうやら現在も営業しているようで、ネットでその名前が確認できる。
佐田屋の創業は1694年で、初めの頃は醤油や味噌の醸造業を営んでいた。その後、明治に入り総合商社のような形態になり、舶来の自転車も扱うようになった。
封書をみると佐田屋自転車部とあり、東京双輪商会代理店となっている。双輪商会といえば、明治36年頃にアメリカ製デートン号を一手販売していた店である。
さて、次は難問の封書の内容に入るが、正直達筆で判読できない。日付も8月10日か7日か?顧客の長岡様?に宛てた書面である。顧客が注文した商品が入荷したことを知らせる手紙だと思う。カーバイトなど6個の商品が箇条書きされている。
当時の人は、このような崩し字を普通に書き、そして誰もが読めたはずである。
古文書や書道の心得があれば簡単に読み解けるはずだが。