2020年9月25日金曜日

シンガー三輪車

 今日も引き続き三輪車である。

宮武外骨や鈴木三元に影響を与えたシンガー三輪車に触れたい。
シンガー三輪車は1879年にシンガー社によつて製造された三輪車で、発売当初から注目され、国内はもとより海外でも好評を得た三輪車である。
ここで開発者であるジョージ・シンガー(1846年-1909年)について触れる。
彼は当初グリニッジのペンズ・エンジニアリング・ワークスで見習工として働き、1869年にグリニッジからコベントリーに移り、コベントリー・マシニスト・カンパニーで働くようになった。その後、1874年に自分の会社であるSinger&Coを起業。1894年にはSinger&Co Ltdになり、1896年にSinger Cycle Company Limited  (1896-1903)として大企業に成長していった。1896年頃が、シンガー社の絶頂期であったと言える。

自転車メーカーとしてスタートしたシンガーは、その後オートバイや自動車まで製造する大企業となる。

シンガー三輪車、1879年
Singer and Company Limited
二輪の前輪と駆動輪となる大きめな後輪
この後輪駆動方式は、Harry John Lawson
のメカニズム(1876年)を採用している 
King of the Road 1975 by Andrew Ritchie の103頁

以下の写真はオランダのトムさんが撮影
ロンドン科学博物館所蔵

前輪部

複雑な構造
左側から見た後輪前部

右側から見た後輪前部

前輪側の大きな蝶捻子

シンガー・アポロ三輪車
小径の前1輪と大きめな後2輪の駆動輪
シャフトドライブからチェーン駆動に進化
Singer Apollo tricycle 1885年