宮武外骨や鈴木三元に影響を与えたシンガー三輪車に触れたい。
シンガー三輪車は1879年にシンガー社によつて製造された三輪車で、発売当初から注目され、国内はもとより海外でも好評を得た三輪車である。
ここで開発者であるジョージ・シンガー(1846年-1909年)について触れる。
彼は当初グリニッジのペンズ・エンジニアリング・ワークスで見習工として働き、1869年にグリニッジからコベントリーに移り、コベントリー・マシニスト・カンパニーで働くようになった。その後、1874年に自分の会社であるSinger&Coを起業。1894年にはSinger&Co Ltdになり、1896年にSinger Cycle Company Limited (1896-1903)として大企業に成長していった。1896年頃が、シンガー社の絶頂期であったと言える。
自転車メーカーとしてスタートしたシンガーは、その後オートバイや自動車まで製造する大企業となる。