2020年9月2日水曜日

不忍池畔の競走會

 この資料は明治38年5月発行の雑誌「體育」第138号である。
不忍池畔の自転車レース記事が載っている。
不忍池畔の自転車レースといえば、明治31年11月6日に開催された自転車大競走会がある。
横浜バイシクル倶楽部の50余名の外国人も参加して行われ、我が国最初の国際的な大会となったレースである。当初は天長節にあわせ11月3日に予定されていたが、雨天順延となり、日曜日の11月6日に開催された。

この「體育」の記事は次のとおり、
● 不忍池畔の競走會 日本輪友タイム会の春季自轉車、競走會は去月十六日午前十一時より上野不忍池畔に於て開会せられたり此の日朝來の曇天にも拘はらず周廻哩餘の他は全く見物人を以て填充し近來稀に見るの盛況なりき

とある。不忍池畔のレースも明治31年以来、毎年のように自転車レースが開催されるようになり、まさに日本の自転車レース発祥の地(横浜も同様だが)或はメッカ的な場所といった感がある。
この記事にある日本輪友タイム会なる組織は知らないが、日本輪友会の関連団体であろうか。
曇天にも拘わらず盛況であったとのこと、
当時の自転車レース人気を彷彿させてくれる記事である。

明治38年5月発行の雑誌「體育」第138号