2020年9月7日月曜日

自転車精算書

 この資料は以前、大阪の高橋 勇氏からいただいたもの。
警察署からの寄付金の礼状とその精算書である。
どうしてこのような資料があるのか、今となっては不明である。
関係者から自転車歴史研究家でもあった高橋さんが入手したものと思われる。
文面をOCRで読み取ってみたが、大正時代の旧漢字で誤変換が多く、殆どが手入力になった。(カタカナを平仮名にした)一部、モジナビも使用。

以下、その文面である。

拝啓倍々御多祥の段奉賀候偖て従来当署備付自転車三台は自然破損殆ど使用に耐へ兼警察上不便不尠候處今回諸彦の御同情に依り一金弐円也を御寄贈被下候結果左記精算書の通り自転車四台を購入するを得候之れ全く各位御厚志の賜にして深謝の至りに堪えず候最も警察の任務たる迅速機敏を要し自転車の利用は司法及行政警察上益する所尠からず爾今警察上好結果を得ることと存候先は御礼辞迄如斯に御座候 敬具

大正五年三月廿二日

堅田警察分署長 鎌田良平

安本芳太郎殿

精算書

一金三百五拾四円弐拾銭也  寄贈金総額

一金参拾圓也        古自転車売却代金

  計 金参百八拾四円弐拾銭也

一金参百四拾円也      自転車四台購入代金

一金 拾四円也        付属品代金

一金五圓弐拾銭也      雑費

  計金参百五拾九圓弐拾錢也

 差引殘高金弐拾五圓也 將來修繕費として銀行に預入保管

  以上

それにしても寄付金で自転車を購入したとは面白い。
何故だろう、購入予算は?興味は尽きない。
堅田警察分署は、明治10年2月9日、 屯所を大津警察署堅田分署に改称。
警察での自転車の効用については、
警察の任務たる迅速機敏を要し自転車の利用は司法及行政警察上益する所尠からず爾今警察上好結果を得たることと存候、とある。
古自転車三台を売却し、新たに四台を購入している。
この資料からも自転車は警察行政にとっても、当時既に欠かせない装備品であったことがわかる。

警察署からの寄付金の礼状とその精算書