2021年1月7日木曜日

大正期の絵葉書①

 大正期の絵葉書①

この絵葉書の撮影年月日は定かではないが、おそらく大正初期と思われる。

場所は遠州の法多山である。私は浜松に居た昭和55年~昭和57年まで、初詣は必ずこのお寺に参拝した。すでにこのブログ(お寺のダルマ自転車)でも書いているが、この寺の境内で、明治20年代のダルマ自転車を発見したことであり、いまでもその情景を鮮明に覚えている。

この絵葉書を見ると、左側に自転車が3台並び、 馬子(まご)の姿や袴を着た人物も見える。更にこの人物は左手に木刀のようなものを持っている。まさか日本刀ではないと思う。明治9年の廃刀令で帯刀することは禁じられていた。

3台の自転車が置いてある場所は有料の駐輪場かもしれない。自転車の前輪にある木枠が駐輪場のようになっている。どれも後輪にはスタンドがない。自転車の近くにいる子供は小遣い稼ぎの番人のようにも思える。これは当時の駐輪場の形態を確認できる一つの資料である。

門の左側に説教と書いた高札のような看板も時代を感じさせる演出のようで面白い。この絵葉書の構図は素晴らしい。

大正初期の絵葉書
法多山の総門