レンツとアウティング誌 - 14
「OUTING」 スポーツ、旅行、レクリエーションのイラスト入り月刊誌
第 22 巻 1893年4月 - 9月 合本版
「OUTING」 AN ILLUSTRATED MONTHLY MAGAZINE OF SPORT, TRAVEL AND RECREATION .
VOL. XXII APRIL - SEPTEMBER 1893
115頁、
しかし、奇妙に幻想的である。金箔をふんだんに施し、美しい色彩で彩られた精巧な木彫りが、建物のあらゆる部分を飾っている。日本人は、独特の装飾技法に驚くほど長けているが、残念ながら、私にはその詳細を説明できるほど十分に知識はない。私の個人的な印象では、普通の人でも、日本美術の細部を半分ほど習得すればよいだろう。木細工や真鍮の装飾が美しく漆塗りされていることに気づかされた。
寺院の周囲には、美しい木陰の公園があり、美しい道路と、優美な葉やきれいな花が咲いている。日本人は花が大好きで、さまざまな場所で、菊やその他の美しい植物が植えられた庭園が見られる。庭師たちは、特定の植物を盆栽にしたりすることに特別な喜びを感じているようだ。
東京に到着した翌日、日本の伯爵か貴族の葬儀が行われ、それは壮麗な行列だった。何百人もの人々が、紙でできたさまざまな色の花で覆われた飾りを掲げて行進していた。他の人たちは、金箔でできた植物を持ち、真っ白な服を着て行進の先頭に立っていた。次に帝国軍の連隊と高官の馬車が続いた。その後ろには頭を剃った僧侶が続いた。棺を載せた木製の覆いは、数十人の男性の肩に担がれていた。彼らも白い日本の衣装を着ていた。棺担ぎの後には、軍服を着て武器とザックを背負った帝国軍の兵士が続いた。その後に人力車に乗った故人の友人たちも続いた。この葬儀の花飾りに 3,000 ドルが費やされたと聞いた。何千人もの群衆の中に、歯を黒く染め眉毛を剃る習慣をまだ続けている年老いた既婚女性が数人いるのに気づいた。私はこのような女性とは決して結婚しないだろうし、正直言って彼女たちは醜悪に見えたので、そのような因習は推奨できない。生まれつき洗練されていて、賢く、芸術的で、詩的で、並外れて礼儀正しい人々の性格と奇妙に融合したこの風習は、アメリカ人を驚かせずにはいられない特異性の1つである。そして、その特異性は残念ながら女性の貞操に対する甚だしい無関心である。なぜこのような国でそのような状況が存在し得るのかは、私の推論の範囲外であるが、ミカドの帝国を訪れたほとんどの人が証言できるように、それは存在する。女性の道徳水準が低いことは、真のアメリカ人にとっては特に不快なことであるが、日本の水準は疑問の余地なく低く、アメリカの水準から判断すると、国内のどこにも女性が適切な地位を占めていない。日本は奇妙なことにアメリカと異なっており、花の国では遊女であることは恥ずべきこととは見なされていない。年配の住民が私に話してくれたところによると、若い女性の両親は、定められた金額または借金と引き換えに娘を妓楼に売り、借金が帳消しになるまで女性はそこに留まることをいとわないと云う。そして日本の女性は年長者や両親に対して非常に自己犠牲的な性質を持っているため、彼らの望みに疑問を抱くことなく従う。東京の吉原では、通行人の目に、実際に見るまではほとんど信じられないような驚くべき光景が映る。遊女たちが、大きくて広々とした建物に収容されており、各建物の1階に格子の窓があり、それぞれの窓には、夜の早い時間帯から、蝋人形のように美しい十人、十五人、二十人の女性たちが座っている。
註、このページには日本の恥部と云ってもよい部分が書かれている。少し偏見と誇張もあるがレンツは日本の因習をよく観察している。