2020年12月18日金曜日

老舗さんぽ⑱

 先日、自転車で小田原のアオキ画廊へ行く途中、古木自転車店の前を通過しようとしたところ、2年近く閉まっていた店のシャッターが半分開いていたので、のぞいてみた。
 丁度、自転車組合の支部長さんが来ていて、ご家族の人と話していた。
支部長さんが帰った後、店の中へ入っていく。ご家族の人がいて、いろいろと昔の話を聞くことができた。
 初代の店主は小田原に店を出す前は、秦野にある片野自転車店で修業していたことや、梅本さん(二代目)が東京オリンピックの競技役員をしていたことなどを伺った。
 初代の古木さんは秦野の出身で、そのような関係から片野自転車店で修業をしたのである。

 片野自転車店も創業は古く、大正14年である。一番古い太田自転車店は既に廃業しているから、現在では片野自転車店が秦野で一番古い。二代目の片野公平さんは、競輪の選手でもあり、昭和35年5月30日発行の「競輪十年史」の全登録選手一覧の109頁にその記載がある。
登録番号2687 片野公平 登録地、神奈川29.6.22(登録取り消し日)。

 一時、梅本さんがこの店を継いだようで、その後、また古木さんに変わっている。聞くところによると、梅本さんと古木さんは苗字は異なるが実の兄弟とのことであった。
 古木自転車店の創業も古く、昭和10年頃といっていたが、昭和12年の名鑑には出ていない。創業年については今後も調査の必要あり。
 現在の店主は2年前に体調を崩し店を閉めたのである。
まだ店内の壁に整然と自転車工具があったので、一部旗屋の工具を見せてもらう。これらの工具は行商人から購入したとも言っていた。
下の写真がそれである。ほとんどの工具は既に野地サイクルが引き取ったと聞いている。

古木サイクル
小田原市飯泉768

左端が梅本さん
 1964年の東京オリンピック時に撮影
左から梅本、中島、遠藤、野地さん

旗屋の工具
チェーン切り

スプロケット外し

ワン回し

片野自転車店前 昭和30年頃 大正14年創業
初代の八郎さんと二代目の公平さん(右)
現在の店主は三代目の宏美さんである

片野自転車店に集まった顧客
これからサイクリングだろうか

昭和35年5月30日発行の「競輪十年史」

全登録選手一覧の109頁

登録番号2687 片野公平 
登録地、神奈川29.6.22(登録取り消し日)