2021年2月10日水曜日

老舗さんぽ㉚

 老舗さんぽ㉚

今日の「老舗さんぽ」は、国府津、二宮方面である。

 国道1号線を親木橋から国府津駅方面に向かう。旧石田自転車店の前を通過して、前回の探査で写真が撮れなかった、大川自転車店(大川輪業)へ。ここは数年前までは倉庫があったが、現在は新築された普通の住宅に変わっている。あの懐かしい看板建築の店舗はその面影もすべて完全に消えてしまった。

 国府津には、他に加藤自転車店と内田自転車店も戦前にあったが、現在はまったく場所も情報もつかんでいない。機会があったら次回その辺も探ってみたいと思っている。

 国府津駅を左に見て、押切方面に向かう。押切で昭和40年頃まで営業していた山田自転車店は前回の調査でもまだ正確な店の位置を確認できていなかった。押切郵便局の手前を通過した時に、年配のご婦人がいたので、ぶしつけに訪ねてみたが、分からないとのこと。まだこちらに越してから8年だと言っていた。分からないはずである。

 結局、山田自転車店のあった場所は分からず、押切の坂を上って二宮方面へ。二宮町梅澤にも杉崎自転車店があったが、この場所も探す。梅沢の橋を渡った左側に以前から気になっていた店がたまたま開いていて店主がいた。この店は自動車の販売店であるが、店主は以前から自転車が好きで、外国製の自転車を何台も所有している。現在は店の内装工事が始まったようで、店内を片付けていた。たまたま一台のクラッシック自転車が目に留まり、写真を撮らせていただいた。親切に店の前にその自転車を引っ張り出してくれた。この自転車は英国のベイツで、フロントフォークが特徴のある自転車である。後輪のハブには懐かしいスターメイアチャーの内装ハブがついていた。数枚写真を撮らせてもらう。

 この店主から詳しく杉崎自転車店を聞き出すことができた。若い頃にこの店でセキネの自転車を購入したとも語ってくれた。

 杉崎自転車も既に廃業していて、現在はまったくその面影はない。いまは小さな名入れタオルの販売店に変わっている。この店を覗いたのだが、誰もいない。結果何も話を聞くことができなかった。ただ店の場所を確認できたことが唯一の成果であった。杉崎自転車店は戦前は2店舗を構えていて、今回訪ねたのは梅沢の本店の方である。

旧大川自転車店(大川輪業)の跡

ベイツのクラシック自転車

旧杉崎自転車店 梅沢の本店跡

この辺りに山田自転車店(押切)があったが?
再調査が必要である

全国輪界興信名鑑 昭和12年発行