自転車関係資料㊲
下の資料は1956年(昭和31年)7月1日発行の「毎日グラフ」第9年第27号通巻第321号である。
自転車の部品を使って大空を目指す。
このブログでも度々空中自転車(下の画参照)や水上自転車を取り上げている。殆どが海外の情報であるが、この記事は純国産である。先人たちがいろいろな工夫を凝らして人力だけで大空を目指したのであるが、これもその一つの事例といえる。その思いは現在も連綿と受け継がれている。
何とか自作のヘリコプターで大空を自由に漫歩してみたい。彼はこの夢を、たった一人の心を許した助手、妻千代子さん(35)に打明けた。そして春ごろから千代子さんを相手に、コッコッと稲田式ヘリコプターの製作に取りかかり、まず全長5メートル、幅22センチの回転翼の骨組みを完成、続いて胴体、方向ダ、着陸用ソリへと進んだ。ふるっているのは機体の中核に競輪用の中古自転車をそのまま使い、翼回転の動力は人力でペダルを踏み、車輪の木製リムにかけた布製ベルトでプロペラ主軸を回転させようという仕組みである。
以下は記事一部を抜粋、
稲田武弘さん(42) 小倉市城野富士見町 は、”大空への夢”に憑かれた男である。本職は金物製造業だが、グライダーにかけては滑空士の免状を持つ腕前。少年時代から大空へ憧れ、ソアラー(高性能グライダー)の組立てなど平ちゃらという。ところがだんだんグライダーでは物足らなくなって、近ごろはヘリコプターに目をつけだした。何とか自作のヘリコプターで大空を自由に漫歩してみたい。彼はこの夢を、たった一人の心を許した助手、妻千代子さん(35)に打明けた。そして春ごろから千代子さんを相手に、コッコッと稲田式ヘリコプターの製作に取りかかり、まず全長5メートル、幅22センチの回転翼の骨組みを完成、続いて胴体、方向ダ、着陸用ソリへと進んだ。ふるっているのは機体の中核に競輪用の中古自転車をそのまま使い、翼回転の動力は人力でペダルを踏み、車輪の木製リムにかけた布製ベルトでプロペラ主軸を回転させようという仕組みである。
さて稲田さんの計算によれば、この方法で操縦者とも。80キロの重さを浮上できるはずなのだが、再三のテストにもかかわらず、ヘリコプターは一向に飛び上ろうとはしなかった。しかし稲田さんは悲観しない。世間のいろいろな批判にもめげず、彼のひたむきな大空への情熱はいよいよ燃えさかっている。(小倉市 清水久雄)
cycle, Mr. Inada produced a man-powered helicopter recently but the 80-kilogram
body was too heavy to fly by manpower. He is still studying to realize his dream with the assistance of his wife Chiyoko, 35.
以下は英文のキャプション、
PHOTOS BY OUR READ-ERS-Takehiro Inada of Kokura City, is planning to “take a walk in the sky“ by using a helicopter made by himself. Utilizing an old by-cycle, Mr. Inada produced a man-powered helicopter recently but the 80-kilogram
body was too heavy to fly by manpower. He is still studying to realize his dream with the assistance of his wife Chiyoko, 35.