自転車関係資料㊸
前回からの続き、
下の資料は1933年(昭和8年)3月1日発行の「アサヒグラフ」第20巻第9号、
自転車特集「浪速津の交通文化 走る下駄」より。
この写真のキャプションに、
自轉車 車を引くうらぶれた、一寸淋しい街の風景
時代の波に乗りおくれて、路傍に見すてられたやうな力車が、時代の寵児自轉車に引かれてサテ何處へ行く――とだんだん話が滅入つて來ます
とある。
冷たい雨は降っているし、何処となく寂しい。人力車の終焉を物語っているような景である。お客は乗っているのであろうか。空身で帰路を急いでいるようにも見える。それにしても人力車の位置が少し斜めのような気もする。自転車との接続位置がちょうどポンチョに覆われていて分からない。この人物も元は人力車夫なのか、聞いてみたいところである。
自転車は実用車で後荷台、両立スタンドそれに乾電池式のヘッドランプも見える。