2021年8月15日日曜日

進化する自転車

 進化する自転車

先日、閉幕した東京オリンピック。私は静岡県小山町へ観戦に出かけた。日本でツールドフランスが見られるような思いであった。期待にたがわず、身近で本場のロードレースを見ることができた。ツールドフランスが終了(7月18日)して、まだ間もない時であり、ツールの最終ゴールが富士スピードウェイと想像した。このレースの終了後も何度もNHKの録画を見た。特に私が観戦した地点を繰り替えし再生した。この小山町上野から三国峠経由の山中湖は何度も通る道でもある。県道147号線で、そのコースで一番の急こう配は明神峠手前、そのこう配は18%である。本当はこの地点で観戦したかったのだが、交通規制の時間に間に合わず、しかたなく小山町上野にしたのである。

いずれにしても選手のスピードは半端ではなく、このコースを実際に自転車で走った人であればよくわかる。ツールの総合優勝とこのオリンピック個人ロードで銅メダルを取ったスロベニアのタデイ・ポガチャル(Tadej Pogačar)選手は確かにすごいが、私が何度もビデオを見た感じでは、殆ど集団のトップを引いていた同じスロベニアのヤン・トラトニク(Jan Tratnik、62位)選手である。私が観戦していた小山町上野でも最初に飛び込んできた。

タデイ・ポガチャルやタイムトライアルで金メダルを獲得したプリモジュ・ログリッチ(Primož Roglič、ロード28位)選手のサポート役に徹した走りであった。メダルの半分は彼のものである。

前置きがすこし長くなったが、次は伊豆ベロドロームで行われたトラック競技である。この競技場にイギリス選手が持ち込んだトラックバイクHB.Tが凄い。

この自転車はこのオリンピックが開催さえる約2年前にホープ社とロータス社(Hope HB.T by Hope Technology and Lotus Engineering)が共同開発したもので、その斬新的なフォルムは息をのむ思いがした。この自転車を見て、まだまだ自転車は進化の途上にあることを確信した。

東京オリンピックに出場するためには事前にUCI(国際自転車競技連合)の承認を受けなければならなが、それも無事にクリアーしてきている。

この自転車による影響なのかそれとも選手の実力か、英国は特に高速走行が要求される男子マディソンで銀メダル、女子は金メダルを獲得した。何れにしてもこの自転車は只者ではない。イギリスはいまだに自転車の先進国であることをこの自転車が証明してくれた。

最近の自転車を見てもあまり感動しなくなった私だが、このベロドロームを走ったトラックバイクはただものではなかった。

先頭のヤン・トラトニク選手
静岡県小山町上野

ホープのHPより