2021年8月8日日曜日

自転車関係資料㊱

 自転車関係資料㊱

下の資料は1937年(昭和12年)7月7日発行の「アサヒグラフ」第29巻第1号である。

戦前の自転車競技の写真が少ない中、この資料は貴重だ。それも第1回學生自轉車競技大會の写真である。確かこの年には日本学生自転車競技連盟が、日本サイクル競技連盟に包含され、日本自転車競技連盟が発足している。

このような資料は他にも探せば出てくると思うがそう簡単には現れてくれない。たまたま古い書棚に埋もれていたのを見つけ出した。

写真のキャプションの内容や旧漢字も時代を感じさせてくれる。

16頁

第一回學生自轉車大會
燦々と降り注ぐ陽光を浴びて、輕快に滑る二輪の渦 ー 日本學生自轉車競技聯盟主催第1回學生自轉車競技大會は、六月十九日午後芝公園競技場で華々しく開催された會は國旗掲揚・會長挨拶、審判長挨拶、選手宣誓等型の如くあった後競技に入った【寫眞は入場式】

註、ざっと数えて出場選手は40名ほど、誰もヘルメットやカスクも被っていない。サイクルキャップも少ない。カスクの歴史は知らないが、昭和30年(先のブログ、日豪交歓自転車競技会)の写真では被っている。観戦者がやや少ない感じがする。
当時の芝公園競技場周辺の木々が多いことも確認できる。

32頁

お茶の行商隊
【埼玉縣】豐岡實業學校では、生徒の製茶実習で精製した約四百貫の茶をいつもは大ロで販売していたが、今年は生徒に販売を實習させる為、五年生三十人に自轉車隊を組織させ、六月十五、六兩日東京市內各官署に訪問販売させた(寫眞は同校茶行商隊の出發)

註、豐岡實業學校は現在の埼玉県立豊岡高等学校である。創立は大正9年。
どこのメーカーの自転車か分からないがフェンダーの風切りも見える。ブレーキはロッド式、右の自転車にはスポークベルも付いている。ライトはない。
右端の自転車に付いている ヘッド部のランプ掛けの意匠を見るとYのようにも見える。すべてではないが山口自転車の可能性あり。

表紙