自転車関係資料㉟
下の資料は1932年(昭和7年)1月13日発行の「アサヒグラフ」第18巻第3号である。
その6、7頁に歴史的自転車のパレードの写真を見つける。英国は文化を大切にするお国柄で、現在でもそうだが、当時からこのようなイベントを開催していたことがわかる。
そう云えば、英国のH・W・バートリート Horace Wilton (Sammy) Bartleet が「バートリートの自転車ブック」Bartleet's Bicycle Book The Story of Cycles and Cycling – 1 Jan. 1931を出したのがこのパレードの年でもある。彼はもともと自転車のレーサーであったが、のち1930年代に入って歴史的自転車の蒐集と自転車史の研究家となる。そして私設の博物館も開設した。当時彼が出したこの本は、自転車史関連の書籍として既に古典的な存在になっている。英国のクラシック自転車愛好家のクラブ The Veteran-Cycle Club からもこの本の復刻版1983年発行が出ている。
「アサヒグラフ」写真のキャプションに、
歴史は歩く ロンドンの街を英京ロンドンを秋の空飛ぶ紅トンボのように走り廻る自轉車が、初めて街頭に現はれてからもう五十年、この半世紀の間に自轉車の身上にも幾多の変遷があった、その半世紀間の数寄な運命を語る形さまざまの自轉車・オン・パレードが去る十一月九日に催されたロンドン市長就任祝賀式の餘興として、ロンドン街頭を練り廻り、その珍風景に沿道の群衆を悦ばした。