自転車関係資料㉞
下の資料は、昭和11年5月20日発行の岡谷市勢要覧である。
交通の部に自転車の保有台数が出ている。
他の交通関係車輛と比べ自転車の圧倒的な数量の多さに驚く、この時代の主要な乗り物であったことが分かる。この数字は全国的(地方に於いて)に見ても大同小異であったはずである。自転車が重要な役割を果たしていたことが、この数字からも伺い知ることができる。それとは反対に人力車の衰退ぶりが目立つ、この岡谷市でも僅か9台である。
交通の部船 車
牛馬車 乗用1、荷用91
人力車 9
荷車 1,112
荷臺車 479
小船 36
自轉車 普通3,568、自動(オートバイ)14
自動車 乗用58、荷用35
以下、概要などを一部抜粋
岡谷市概況
岡谷市は諏訪湖の西北岸に位し、面積二方里四八、昭和十年国勢調査による世帯数六千二百三十三、人口四萬千三百三十三人、隣接する川岸・湊・長地等の諸村一帯に亘る本邦最大の製絲業地、所謂岡谷地方の中核をなす工業都市である。
岡谷市は諏訪湖の西北岸に位し、面積二方里四八、昭和十年国勢調査による世帯数六千二百三十三、人口四萬千三百三十三人、隣接する川岸・湊・長地等の諸村一帯に亘る本邦最大の製絲業地、所謂岡谷地方の中核をなす工業都市である。
地 勢
海拔約八百米の諏訪盆地の一角を占め、諏訪湖唯一の排水口天龍川の河口に臨んでいる。北方には盆地周邊山脈の一部なす低山性の塩尻山塊を負ひ、それより緩やかな傾斜をして湖岸の沖積地に漸移し、工場市街地及一部農業集落はこの山麓から湖岸に至る間の平地に密集している。湖隔て東南方八ヶ岳連峰に對ひ、又遥に富岳を望む景勝地であるが、冬は寒さ稍強く水點下二十度に近くなる時もある。
交 通
鐵道中央線岡谷駅は市の西南部にあり、新宿及名古屋へ共に約五六時間長野へは三時間で到達する。昔の中仙道は今國道八號線となつて本市の北部を通過し、市内を東西に貫ぬく県道下諏訪伊那線は遠く太平洋岸に至る路線と連絡している。 其他県道市道縦横に通じて自動車運輸の便頗る多く、省営バスをはじめ諏訪松本二会社のバスは岡谷駅前を起點として市内は勿論、上諏訪町下諏訪町其他諏訪郡下の各地、伊那方面、塩尻松本方面、和田峠越小県郡丸子町方面等へ頻繁に往来している。
参考までに全国輪界興信名鑑 昭和12年版 日本輪界新聞社 コマ番号 445
諏訪郡を載せる。
この名鑑ではまだ岡谷市でなく諏訪郡の表示になっている。
岡谷市は、昭和11年4月1日に市制が施行されたばかりである。
交通の欄 32頁
人口の欄 7頁
表紙
奥付
全国輪界興信名鑑. 昭和12年版
日本輪界新聞社
国会図書館所蔵資料
コマ番号 445